公衆便所の怪談
それは寒い寒い季節の事であった。
ある岬で夜釣りをしていると、便意を催したそうな。
岬の公園に公衆トイレがあるのを思い出した。
行ってみると、タイマーでもセットしてあるのかトイレの照明が消えている。
ちょっと恐かったが強烈な便意が撤退を許さない。
ティッシュはすぐに使えるように右手に用意し、ベルトも外した。
勇気を奮い起こして個室の中に入る。
汲取便所特有の鋭い臭気がツンと目と鼻を刺激する。
彼はズボンとパンツを一気におろし、既に出口まで出て来ていた物をドドッと排出する。
ホッとするまもなく右手に掴んだ紙で最低限拭き取る。
間に合ったいう安堵感。
ふと便器の中を覗いた。
すると・・・・白い物がフワフワと浮かんでいる。
彼はオワワッと声をあげ立ち上がる。
なんと その白い物がすっと汲み取り式の便器の中から飛び出てきた。
ますます驚いた彼はパンツとズボンを降ろしたまま、必死に公衆便所の外に逃げ出した。
ソレがすぐ後ろを追ってくる気配がする。
彼は走った。
必死に走った。
街灯がある明るい所まで、とズボンを下ろしたままガニ股で走った。
冷たく光る街灯の下まで一気に走った。
そこで恐る恐る後を振り返り、彼が見た物は・・・・・・
自分のウン*が付いたティッシュでありました。
釣針が付いた釣糸がズボンのポケットから出ていて、それに自分が使ったティッシュが引っかかっていたのだ。
星のきれいな寒空の中、小さく縮こまったチ*チ*を出し、呆然とたたずむ彼の姿が在った。
彼の側にはウン*が付いたティッシュがヒラヒラと冷たい風に舞っていたそうな。
色んな意味で鳥肌が立つような怖い話である。
彼はある会社の社長である。
次の日朝一番に来て、怖かった話として語った。
私の受け取り方は違ったのだがね。
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