宇宙人、異世界人の考察

立ち読み愛好家

第1話

宇宙人や異世界人の造形を見ると、いわゆる人型をしているものが多い。

人型こそが、知的生命体の条件という思い込みがある気がしてならない。

人類の進化について、なんだかんだで一通りわかっている。

まず、樹上に生活の場を求めた一団がいた。これは物を掴める長い指を持っている方が、生存上有利だったので、四肢すべてが物を掴める方が、生き残っていく。猿も木から落ちるという言葉もあるように落ちたら死んでしまう。軽ければ、何とかはなるが、一定の体格以上では致命的である。

そんな中で、前肢が体側(腋)に移動し、前肢の自由度が増した一群が、登場する。類人猿である。日本人にはなじみがないが、体の構造的にニホンザルのような猿と、類人猿は、全く違うものである。中国では南方にテナガザルなどの類人猿がいるため、中国語では区別されているが、日本にはいないため、ひとしなみに猿として理解されている。用語として、ましらの如くという言葉があるが、これはブラキエーションを行うテナガザルが、高速で森を移動する様を示した用語で、普通の猿、ニホンザルなどが森を移動する際にに使う用語ではない。まあもちろん、普通の猿であっても、森を移動する速度は相当なものであるが。

ブラキエーションは腕渡りともいい、木に垂直にぶら下がって、体を揺らし、腕を伸ばして、次々に枝をつかみつつ移動していく方法で、肩の自由度が高い類人猿のみが行いうる移動方法です。人類も当然類人猿ですので、同様の動きが可能です。

ここで思い出されるのは何かの番組で視た一コーナーで、ニホンザルとに人間で、雲梯勝負というもので、ブラキエーションができずやれないニホンザルと、ブラキエーションを封じられたに等しい人間を比べてどうしようというのかと疑問に思ったことを思い出します。

結局、日本人は。真猿と類人猿の区別がつかないんだなと思ったことを思い出します。

さて、樹上に高度に適応した類人猿ですが、それにより、できなくなったことがあります。それは、地上を四足走行できなくなったことです。

ここで、走行の定義について確認しておきます。走行とは、四肢のすべてが地面から離れることを示す移動状態で、カエルのような跳躍移動は含みません。

陸生哺乳類はほぼ全て直立四足歩行の形態を持ちます。ここでの直立とは、四肢が体側にある、爬虫類、両生類では、肘、膝を直角に曲げて足を接地しているが、哺乳類では四肢が下面にあるため、肘及び膝を直立させたまま接地させることができ、これを指して直立四足歩行と呼びます。

さて、哺乳類の一般的な走行動作ですが、まず、後足で、前方に跳躍します。次に前肢から着地し、勢いを殺さないよう前肢で体を前に運びます。着地前に体をそらし、前肢をより前方に伸ばします。次いで、前肢のみで、前方に跳躍します。最後に体を曲げ、後肢を前肢の着地点より前方に接地します。ここで、重要なのは、後肢での跳躍の勢い及び、自身の体重を前肢で、受け止める必要があるということですが、類人猿では前肢が体側に移動してしまっているため、体重や勢いを受け止めきれません。

体操選手並みに鍛えれば可能でしょうが、自然界にそこまで鍛える余裕などないので、類人猿は地上を四足走行はできないことになります。

人間の場合、住んでいた森が地殻変動の影響で失われ、サバンナに追い出されたことで、四足走行可能な高速な捕食者から逃れるために仕方なく2足走行を身につけたと推察されます。

つまりに何らの積極的な理由もなく2足歩行は進化したものと考えられます。

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