第28話 5/18 人の何倍も

 同い年で活躍している人間はたくさんいる。それどころか一時代を作って引退した人間もいる。

 私は何をしているのだろう。

「これってどうなってるんですか?」

「これだと効率が悪くないですか?」

「そんな事聞いてませんけど?」

 色んな所聞かされる不満。


 そんな事言うんだったら自分でやってくれよ。


 常にこんな事を思ってしまう。

 いつまで人に翻弄されるのだろうか?

 馬鹿みたいだ。何も成し遂げていない。

 そんな時は仕事帰りにボクシングジムに立ち寄り汗を流し、サンドバックを気が済むまで殴る。きついし苦しい。けど、この時だけは自分だけの時間のような気がする。


 そして家に帰って机に向かって執筆活動に入る。


 ・・・。


 すぐに瞼が重くなる。

「成功したければ人の何倍もやらなくちゃだめだ」

 尊敬する人が前にこんな事を言っていた。ずっと心に残っている。

「・・・。」

 寝てはだめだ。寝てはだめだ。と思いながらも体は布団に吸い寄せられていく。


 30分だけ。


 そう言い聞かせて布団に入る。

 結果・・・朝まで寝てしまう。


 ・・・・・。

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