姉であること

相川美葉

第1話

ある日、母が言った言葉に私は驚いた。

「入学式、、、来られんの?」

それは、私の高校の入学式には来られないという知らせだった。

何でも母は兄の入学式の送迎、父は仕事、祖母は妹と弟の世話ということなので、私の入学式に行ける人はいないと言う。

「ええよ、寂しくないし、もう高校生やもん」

嘘だ、寂しくない訳ない。でも、我儘なんて言えるはずがない。だって私は、『お姉ちゃん』だから、、、。

自分の部屋に戻って、友達に入学式に親が来るのか聞く。

友達は来るらしい。嬉しそうに話してくれた。

「、、、ええな」

ポツリと呟いた言葉は流れ出た涙と共に、誰にも拾われることはなかった。

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