ふつかめ ~滞在~

 寝入ったと思ったら起こされ、寝入ったと思ったら起こされ、を2~3時間ごと繰り返し。


 途切れ途切れの睡眠で、寝たんだか寝て無いんだかよく分からないまま時間だけが経過した午前8時。

 セットした備え付けアラームにより起床。


 ・・・・・・。ねむい。


 とりあえずトイレに入り……

 風呂場に干したパンツはどれどれ……


 か、乾いた~~~~~!

(テーッレッテレー


 霜月はぱんつを装備した!


 安心感が増した!


 ……などとウキウキしているのも束の間。


 目覚まし音でCも当然目覚めたため


「コーヒー作って」

「トイレ行く」

「着替える」

「ごはん」


 ねぇちょっと自分の支度させて、なんて言おうものなら


「なんでやってないの?」


 カチーン。


 あんたのことやってるんだぁ!

 次から次へと用件押し付けてくるのに

 自分のことなんてできるかぁっ!!


 なーんて叫ぶのは旅行では毎度のことですね。

 家では僕自身のことやる必要が少ないし家事があるのでそこまで言われないけれど、旅先では欲求のままに動く感じですね。ルーティン全部崩壊。


 さて、昨日買っておいた朝食。

 おにぎり、ゆでたまご、漬物、チーズ、お茶。


「おにぎりが冷たい」


 そりゃお寿司っぽい具のナマモノだから一応冷蔵したんだけども。

 不評この上ない。


 食べてくれただけ御の字。(あげる、と言われるのもザラ

 途中で止めるのかな~とか考えていたけど、ゆっくり時間をかけて最後までもぐもぐ。


 食べながら「江ノ電乗りたいね」と提案あり。

 別室のBに確認の連絡入れると立て込んでいるのでのちほど、と。


 食後歯磨き、トイレ、メイク……。


「眉毛(アイブロウ)が無い」


 気付かれちゃったら止まらない。我慢できないC


「買いに行く買いに行く買いに行く×∞」


 Bから連絡ないけど、まぁいいか買い物だけ行ってこよう、と散歩行ってくるとだけ連絡入れると

 ホテエルの玄関出たあたりでピロリン♪


「作戦会議するからこっちの部屋へ」


 ちゅどーん。


 Cに適当な理由つけて部屋に戻り、すぐ戻るから、と置き去りにして隣室へ。

 こういう話本人の前でしても納得しないんですよねー。


 昨日江ノ電乗ったというBからのバリアフリー未整備具合と、目的無く乗ることでのダイヤ・駅員への影響が甚大であることをつらつらつらつら……(割愛


 うぅっ、長いっ。

 そうですね、ごもっともですわ。短慮でした。


 じゃあまあ適当に歩いてきます、として退室。

 戻るとCはご立腹。「置いていくな」と。こちらもこちらでごもっともですわ。


 平謝りしてから、気を済ませようと再出発。

 ドラッグストアで眉描き買い、店出てすぐ眉を描き描き。

 よかった、眉生えた。と機嫌ちょい回復。


 昨日海を歩いたので山方面に歩くも家、家、家。なんもねぇ……。

 庭先に力を入れているお宅が少ないのは、潮風にやられてしまうからなのかしら。

 玄関に入るまでに階段のとこが多いんだけど、歩けなくなったらどうするんだ……。

 要らんお世話がぐるぐるぐる。


 そういえば道端の看板は犬のウ○コマナーのものばかり。

 飛び出し注意やチカン注意は見かけない。


 こういうのも地域によるんですねー。

 間が持たなくなったので引き返し(機嫌取り失敗)、スーパーで買い物。

「刺身、寿司」はい、そうですね、そうですね。

 でも使いすぎると予算オーバーするから、と選んでもらって納得してもらえたところでお会計。


 じゃあ戻ろうかとしたら「海が見たい」

 ホテルから見えるよー、なんて聞かない。


 そうですねー。歩きますかー。

 というわけで今日はエレベーターを使わず、坂道をゆっくりゆっくりブレーキかけながら下り、海へ。


 これまた風が冷たいんですわ!


 海沿いに到着したら、昨日とは逆方向にてくてく。

 サーファー少なし。

 波も昨日に比べ穏やか。


 でも、やっぱり……何もねぇ……



 ほどほどに歩いて満足したのか部屋に戻ると、「疲れた。横になる」とC。


 おいおいおいおい、昼ごはんはっ!? 「一回寝てから」え~~~~~~!


 僕は歩き詰めでハラヘリだったので、Cを寝かせて部屋の明かりを落とした状態でご飯準備。

 もちろん食べるのは洗面台。


「あんたも横になれ」としつこく言われるものの「お腹空いて寝れない!」と返して強行で食べる。

 食べ終わっても「横になれ」と言い続けるので仕方なく横に……。


 はぁ、つかれた~~~~~~。



 ・・・。



 ・・・・・・。



 ・・・・・・・・・・・・・・。




 はっ!?


 何時!? 3時!?

 1時間ちょっと寝ていたぽい。


 ちょっと泡食ってるところにCも目覚め、「ご飯食べる」と。


 買ってきた食品は「冷たくしないで」の指示だったので常温放置しておりまして。

 常温のビールって美味しいか?? という疑問は「本人がよければ良いシステム」の前に崩れ去るのです。


 と。食べる気満々だった割に妙に食べが悪いC……。

 水分もストローで全然吸えない……。


 1時間は昼寝したし、疲れるようなことしてないし、風邪??

 え……めんどく(略



 あれ?

 そういえば空調ばっちりだな。家に比べてあったかいな。


 それなのにしっかり着込んでひざ掛けまでしてるC……これ熱が籠ってるやつか!


 ならば、と半ば切り上げる形で片付け、散歩行こ、と外へ。

 とはいえ日が傾いてきて一層寒いし、昼間(僕が)相当歩いたから夕飯の買い出しだけでいいか、と三度スーパーへ。

 行き過ぎやろ感。気にしたら負け。だって他に店が無いんだもの。


 昨日の夜から寿司寿司寿司と三連ちゃんなのでちょっと変えたら? と提案すると切り落としの刺身&カップ麺。

 生魚には変わりないけど、値引きシールで更に安いし、まぁいいか……。

 魚を食べ溜めておいてくれ……。


 ここでやっちまったと気付いたのが、昼の買い出しの時に「醤油が無い」と買ってしまったこと。


 総菜コーナーに使い切りのやつ置いてあるがな! 勿体な!!

 そんな後悔をひっそりと飲み込んで部屋に戻り、即座に夕食。


 どうやらCの狙いは食後の「お風呂」。

 旅先で入りたがるよね、いつも。


 あ、勘のいい方は気付かれたと思いますが、Cの不調は案の定、外の風に当たったら即治りました。

 体温調節機能が弱いんですよねー。


 一応お風呂は「さっき変だったから無理しないほうがいいんじゃない?」とどうなってもいいように伏線を張っておきました。

 急に言っても聞かないですからね、根回し大事。


 さて、そんな食事中にGが訊ねてきまして。

「あ、食べてる? ごはんどうするかな、と思って」と切り出す。

 相談せず先回りしちゃいましたねすんませーん。

 しかし、ここでご飯を切り出すということは……。

 外に食べに行くプランがあった……? 僕は完全に無いものだと思ってましたが。


「お風呂は?」とすかさずC。


「浴室狭くて浴槽低くて無理だな~」


 おおっとやんわり回避モード? やっぱりなにかあるんですねー。

 食い下がるCと、はぐらかして去っていくG。


「じゃああんたが入れろ」やっぱそうなるよね。

 一人じゃできないって。事故って二人とも死んじゃうからやめてくれ。


 まぁこの間Gは事故ってどこか痛めたらしいし、抱えるの大変なのかもね。

 と付け足して。


 Cが食事を終えたところで、食休めしててと今度は僕が食事。

 同時に食べてもいいけど、忙しなかったので今回は別々に。


 って「お風呂は?」「風呂入る?」って連呼やめーい!

 メシくらい静かに食わせろぉー!

「じゃあ、おやつ」と、終いにはデザートやお菓子を心ゆくまでヤケ食い。


 食べたらすぐに就寝準備。


 そして「電気全部消して」って、おおーぃ!

「消して消して」何も見えんやろがーい!


 霜月再び洗面台の住人(5時間ぶり3回目)


 そそくさと風呂に入り、旅の記録(このエッセイの下書き)をまったり……と書けないくらい何度も何度も呼び付けられる。


 そりゃ何もしてないし昼寝してるもん。寝れないよねー。


 かといって他にすることも無いCの寝つくまでの辛抱。

 記録を書き終えたので僕も就寝。なんと23時!記録的な数字(いつも2時だから……


 えーと、アラームは……あれ? チェックアウト10時? 11時?


 ……まぁいいや。10時にホテルを出られるように合わせよう。

 そんなこんなで、おやすみなさいませ~~~~(逃避


 尚、疲れてなくて眠りの浅いCのために、また何度も起こされて寝た気がしない夜でした。




 ……あ、パンツまた洗ってノーパンで寝ました。






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