たびにっき。6

霜月サジ太

いちにちめ ~出発~

 旅のテーマはずばり「どこかに泊まること」


 いやこれ真面目にそうなんです。

 何処でもいいんです、宿泊が出来れば。


 その行動が取れればいい、という、言わば儀式なんです。

 儀式タイプのポケモンです。

 いや、ポケットにははいらないな……(モンスター訂正しろ


 


 出発前日夜。


 それまで様々な問題に晒されて、全く手を付けられなかった荷造りにようやく着手。

 最小限で、という声があったので、とにかく減らす。

 アメニティと重複するもの、持って行っても使わないものなどとにかく省く。


 それでいつも足りなくなって失敗するので、使うものは多くしたり。

 特筆することは無いですね、いつも通り!(いつもってなんだ読者わからんやろ



 夜が明けて……今回はお天気酷かったですねー。

 出発日に雨降ってて、日程に雪予報まであるとは。


 ただ、所用のため午後出発にしていたのが幸い、お昼ごろには雨が止んだんです!

 持ってる人は持ってますね!


 霜月一人では外に出ると逆に降られるタイプの人間なので、有難い限りでした。


 このミラクルは、最終日までちゃあんと続いたんです、これが。



 午後になり、出発。


 車内は書けない内輪の話で。途中眠~となりつつの、気付けば目のまえに広がったのは海!

な、なんとサザンビーチらしいです(歌詞を書くのは規約に引っ掛かるので各自で脳内BGM再生願います。


 海に用があるわけではないので、海を横に見ながらどんどん進む。

 平日ですがサーフィンやってる人がちらほら。


 泳ぐどころか冷たい水の中に入ることすら怖くて、心臓バクバクしてしまう霜月にとっては波乗りなんて狂気の沙汰にしか思えませんが、波に乗るさまは遠くから見てもカッコいいものがありました!


 どうしてあんなことできるんですかね? ふしぎ。



 そうそう、道中、江ノ電の踏切に観光客の人だかりみたいなのを見かけまして。

 鉄オタか?

 それにしては老若男女ごちゃまぜだなぁ……。


 海外からか? とか話題になったんですが、あとあと聴いた情報によると、スラダンの聖地の踏切なんですねー。


 教えてもらって「あぁ!」と反応しましたが、実はにわかです。笑

 一通り見たり読んだりしたけど、聖地巡礼には興味の無い霜月でした。



 さて、話を戻し、ホテル着。

「シャワーチェアとかドアストッパー依頼してある?」

 いっけね、やってね!


 その場でサッと頼んで、(急な面倒頼んでスミマセヌ)さぁ部屋に入……れねぇ!?


 部屋は広いのに家具の配置が手前に集中していて、車椅子侵入負荷!?

 ベッドやらテレビ台やらをえっちらおっちら動かしてようやく入れるように。


 もっと狭くても入れるとこ多いのに、油断しましたわ。

 落ち着いたところでCの食事。車中で食べてもいいようにと出発前にBが買っておいてくれたおにぎりetcほぼ完食。


 食事中、別行動のBからメール。ホテル前の急な坂道がエレベーターで昇降できると。これはラッキー重要な情報!

 食事終えるとCは落ち着かずすぐに散歩に出たいと。

 Bからも寒いから早めに出たほうがいいとのアドバイスあり、即出発。


 情報通りの坂を下りる斜めエレベーター(片道一分半!)に乗って斜面を突き抜ける。

 出てきた先はホテル提携の結婚式場。

 ウェディングドレスに目が無いCは「着よう」「着よう」と興奮。

 いや、着ないから!


 無視して海岸線へ。


 どんよりした空に、海風は強く。確かに寒い。


 車椅子で砂浜へ降りられる道は見つからないため、堤防の上の道路沿いを海を眺めながら歩く。

 土地柄なのか、バリアフリーの真逆。


 道沿いの店も民家もほとんど階段アリ。

 入れませんねー。 まぁ今日は寄らないからいいのだけれど。


 一軒だけ入れそうなカフェがあり、それを知ってか知らずか店頭バナーだけ見て「ケーキケーキ」と言い出すC。

 もうすぐ夕飯なので、と却下ですわ~。


 お店なんてのは数えるほどしかなく、ただぶらぶらしているだけなので飽きたのか、

 しばらくするとCが、「もういいんじゃない?」と言い出したのでUターンして帰路。

 坂道は行きと同じエレベーターでホテルに戻り、すり抜けて逆方向へ買い出しに出発。


 買い出しのミッションは

「お目当ての所で夕食を摂る前にスーパーで翌日に使える食べそうなもの欲しがる物を買って満足させておくこと」

 じゃないと注文に歯止めが利かなくなる。これは過去からの傾向と対策ですね。


 買ってあれば欲しがらないから。

 某スーパーで二人分の食事×二回分程度を購入。

 というかこの辺りで買い物できるのがこの小型のスーパーと隣の薬局と海側のコンビニくらいしか無いんですけどっ!どうやって生きてるんだ……。


 交通機関も江ノ電かコミュニティバスくらい。ほぼ自家用車なのか。

 謎ですわ……。


 さて、買い出ししたのでお目当てのお寿司屋さんへ。

 事前に問い合わせたには大きめの車椅子だと入れないかも、という話があり。



 実際に行ってみると……ほんとだちょっと狭い。

 入口すぐの直角が曲がれなさそうだと目測で確認。


 中に入るのは断念し持ち帰りに。風が強くて寒いので作ってくれている間はドラッグストアで時間潰し。ホントは中で食べられたら良かったのだけど、仕方なし。食べられれば何でもいい人なのでセーフっ!


 部屋に戻り、すぐに「食べる」とC。お昼が遅かったからあんまし時間経ってないけど、他にすることも無いので、お寿司をはじめ、買い込んだ諸々を食べはじめ。


 テレビも点けないで、というけれど、さすがに無音すぎてつまらないのでベッド備え付けのラジオだけ何とか許可を得るもののちゃっちゃと食べ終えてしまい就寝準備。あっという間にベッドへ。


 電気消せ、との指令でまだまだ起きていたい(二十時とかですから)霜月としては部屋を追い立てられ、毎度お馴染み洗面台へ。

ドアを隔てるので、ここなら灯りがついていても文句言われない。


 そしていきなりイビキ……。お疲れだったんですかね。



 着替えやら、飲み物やらを持ち出し……あれぇ? 携帯の充電があとちょっとだぞ??

 ずっと圏外みたいになってたからかなぁ。

 昨日充電したから充電コードなんて無いぞ。

 仕方ない、めんどいけどフロントに聞きに行こう。アメニティのカミソリもついでにもらうんだ。

 フロントには若めのスタッフ二名。

「剃刀欲しいんですけど」ガラガラ「はいどうぞ」はやっ

「あと、携帯の充電コードで、こういう形……」ざざっ!ガラガラ!ガラガラ!「はい、どうぞ」はやっ!

 鍛えられてるのかなぁ……。

 部屋に戻り、無事に充電。

 さて風呂に…………? おや、パンツが無いぞ?

 ・・・・・(記憶をたどる)。

 朝の荷造りで全部2枚づつ詰めたけど、たしかにパンツを入れた記憶が無い。隣の引き出しの靴下は入れたのに……。


 ・・・・・・・・・・・・・・・。


 無いものは仕方ない。


 で済むわけ無いわ!!!!!!


 ずっと洗わないで過ごすか!?

 汚いわ!!!


 と、ここでふと、食事の後に洗って干したCの食事エプロンに注目。

 さわさわ。あれ? もう乾いてないかこれ?

 ということは……パンツも洗って干せば乾くのでは??


 ということでダメもとで挑戦。

 パンツは無いけど、その上に履くリラコはたくさんあったので、ノーパンリラコ。

 大丈夫、ロングトランクスという別名があるくらいだから合法!(強調するほど怪しい



 ということでお風呂も入ったし、「たびにっき」用に出来事の記録もしたからミッション終了!


 寝るぞ!時間は……な、なんと、二十三時半!いつも二時三時くらいに寝ている霜月にとって快挙な時間!

 よしっ!!


 と意気込んで寝ましたが、二~三時間おきにCが目覚め呼ぶため細切れ睡眠しかとれず、寝なおす度に変な夢を見る始末。

 切腹する夢があったことだけ覚えてる……





 さぁ! 二日目は何が起きるのか!

 パンツは無事に乾くのか! それとも濡れたまま履くのか!?(知りたくねーよそんな情報

 緊迫(!?)の二日目に続くっっ!!


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