走れ!高校生5

功琉偉 つばさ

ミッションX

ガッガガッ PHSからノイズが漏れる。


「こちら本部、チームAは応答せよ。」


「こちらチームA、任務の進捗状況は順調です。予定ではあと20分後に本部へ帰還予定です。」


「こちら本部、了解した。 チームBは応答せよ。そちらは順調か?」


「こちらチームBただいまミッションが難航しています。対象が予定外の規模であり人員が大変不足しています。至急地点B-3に本部から隊員2名程を投入してください。」


「こちら本部、了解した。 しかし本部も人員が不足しているため他のチームから人を送る。 手配完了次第、投入するため次回の連絡まで待機を要請する。」


「チームB了解。」


「チームA、帰還に必要最低限の人員だけを残して至急地点B-3へ急行してくれ。」


「チームA了解。 管理番号22番と23番を投入する。 チームAはただいま帰路についており、現在地は地点A-2。 地点B-3までは約5分かかる予定だ。」


「こちら本部、了解。 チームB、応答せよ。 チームAから管理番号22番と23番が一五三〇ヒトゴサンマルに到着予定だ。」


「こちらチームB、了解した。」


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ここはとある高校の106教室。あと一週間で学校祭であるためミッションXを行っている。


ミッションXとは1年6組が学校祭で開くカフェを完成させるミッションだ。

司令室もとい本部は106教室に置かれ、運営委員の生徒たちが校外で活動している生徒に指示を送っている。


チームAは紙皿や紙コップ、プラスチックスプーン、ストローなどの用品を100均に買いに行ったチームで、チームBは近くのスーパーから装飾に使う段ボールを提供してもらっているところだ。


ここまで説明すれば何が起きているのかもおわかりだろう。


要するにこのミッションは確かに強いっ仮としたミッションだが、高校生の遊びだ。

運営委員の管理番号1番が始めた大仰なミッションだ。


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「こちら本部。全チームに伝える。 ただいま連盟のボスからの情報によるとこのミッションの期限は本日の一九〇〇ひとくまるまるである。よって全チームその30分前には本部に集合するように。」


「こちらチームC、配給会社(冷蔵庫の貸出)との交渉が成功しました。」


「こちら本部、了解した。 本部に戻り、チームDのミッションの援護にむかえ。」


「チームC了解。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


といったふうに連絡を取り、準備を進めていく。

これもどこかで見た青春の一面。


高校生になると小学生の頃より本格的に、より規模大きくして物事を行うことができる。

なのでついやってみたくなるものだ。(スパイごっこ?)


高校生は遊び心を忘れない。



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