星々の裁定者〜SF世界に転生したけど、宇宙船とかよく分からないので魔法で殴ろうと思います

白鳥ましろ(白鳥座の司書)

 プロローグ

――アステル様。僭越ながら一つお尋ねしてもよろしいでしょうか?


 ある日、部下の一人が私に質問してきた。


――どうして貴方様はこの職務に就こうと思われたのですか?


 しかも、任務中と変わらない真剣な表情で。

 世間話をするには少々無愛想だけど、これは仕方のないことだ。

 汚れ仕事ばかりしていては、誰だってこのようになってしまう。


 こちらも、いつも通りの口調で返答することにしよう。

 任務中と変わらない口調で。


「そうだな……強いていうなら『推し』の為かな」


――『推し』とは何でしょう?


 部下は困惑の表情を浮かべた。

 まぁ、こうなるよね。


「『推し』というのはね。人生の指標であり、恒星よりもまぶしく、この銀河で一番と尊い存在のことだよ」



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