第39話 糸通し
小学生の頃の記憶です
裁縫の授業
家庭科でしょうか
エプロンを作るというものがありました
確か5年生だったかなと思います
その時、針に糸を倒すと思うのですが、
私は手先が不器用で糸を通すことができず
いつも糸通しの銀色のあれを使っていました
上手く使えればいいのですが、
ある時、端っこのとんがった部分が壊れてしまい、針に糸が通せませんでした
慌てた私は友達に言って糸通しを貸してもらいました。
運悪く、なぜかその日は2個目の糸通しも見事にふたまたに壊れてしまいました。
借り物だったのに、ごめんねと言って返しました。
壊れたもの返されても友達は複雑な思いだったと思います。
当時の私は弁償という言葉が,浮かばず、そのままにしてしまいました。
先生や親に相談すればいいのをなぜか言わなかったのです。
どこか大丈夫だろうと思っていたのでしょう。
頭がちょっと足りませんでした。
別な日にまた家庭科の授業で裁縫がありました。うっかり壊れた糸通しのことを忘れていて、買い直す事をしてませんでした。
もちろん、糸に針を通せないことに焦りました。どうしようと思い、壊わしてしまったこともありましたが、思い切ってまた同じ友達に糸通し貸してと言いました。
そしたら友達に
「貸したらまた壊されるから絶対貸したくない!」
ズバッと言われてしまいました。
あたりまえです。弁償もせずにスルー。
親にも相談せず、先生にも相談せず。
もちろん、その言葉を言われてもじっと我慢して何も言えませんでした。
自分がしてしまったのだから仕方ない。
それでも針に糸を通さないと、エプロンが縫えない。
他の友達に試しに言ったら、
「壊すんでしょう。無理だわ」
そう言われた気がします。
週刊誌ネタのように周りに広まっていました。物を壊す人みたいな。
ごめんと謝っただけでは済まない出来事なんだなと痛感しました。
別な日、母にこれでもかと糸通しを買ってもらいました。
初めからそうすれば良かったと。
結局は弁償するって話はなく、母にその話をしてもそうなんだって終わりました。
母は保護者の方と接するのが苦手です。
仲の良い人しか交流がないタイプ。
仕事上の付き合いであれば接しますが、関わりたくない気持ちが強いです。
大人になった今,私は母親として
その,失敗あったならば、糸通しならぬ親子の風通しをよくしなければいけないと感じています。
幸い、娘も息子も
人のものを壊すというより
壊される側になっていました。
それでも陽キャラな子どもたちで気にしてません。羨ましいものです。
友達も自然にたくさんいるなんて、私の過去はどうだったと娘から自慢するように聞かれて半泣きになります。
今はXのフォロワーさん300人以上いるもんと娘に訴えたいが次元が違うらしい。
悲しいです。
リアル友達のことを言いたいらしいです。
そんなこんなで糸通し壊すというのを考えると私は親に不満があったのかと考えさせられます。
物を壊して何かを訴えたかった?
無意識にやっていたのですが、結局のところ親にアピールできていない戦力外な戦士でした。
反抗も中途半端だったんでしょうね。
壊したことを言ったら悪い子だと思われるのも嫌と。
良い子ちゃん症候群に陥っていました。
人間、常に良い子になれるわけないのに。
抑圧されてたなと感じます。
今は良いことも悪いこともバランス良いです。許容の範囲内の話です。
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