いつものあの人に会いたくなる。

学生作家志望

ついこないだ

突然、冷たい飲み物が飲みたくなって、近くの自販機にやってきた。


財布を開けて小銭を見た。10円だの50円だの細かいのばかりがそこにはあった。


こういう細かいのを消費するためにたまに近くにある自販機を使うんだ。

冷たい飲み物を飲みたいのもそうだけど、小銭を消費したい思いの方が強い。


50円、10円…


最近小さくなり始めたその炭酸ジュースには120円とつけられていた。


細かいのばかりだから頭の中で計算しなければ120円は集められない。なのに、どうしても計算が進まなかった。


この自販機は、友達も多く使ってるし、その友達のことを考えると他の人のこともどんどん連鎖で出てきて、まったく集中できない。


こないだ入った高校の新クラスは、正直涙が出るくらい苦手な雰囲気で、どうしたらいいのかよくわからない。


先生が卒業の時、あんなに頑張れって言ってくださったのに…こんなんじゃダメだよ。


でも、でも、、、!ついこないだだよ。ついこないだ。


好きだった先輩が卒業したのも、今度は自分が卒業したのも。


友達といっぱい遊んだのも……


全部、こないだじゃんか。


なのに、、、もう周りに誰も居ない。


「それでさ、こないだね!」


街中でたまたま会ったら、いっぱい喜んで話しかけてくれる先輩もいつもそう言ってたな…


他の友達も、先生も、そうだ。僕がどんな状態でもきっと僕にに話しかけてくれる。


頑張んなきゃ、こんなんじゃダメだよな。


今、独りでも、独りじゃないもん。

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