棒立ち人間
那須茄子
棒立ち人間
私は駅のホームに立っていた。電車はまだ来ていない。
時計を見る。
遅れているのかもしれない。
でも、私は待つしかない。
待つことは私の日常だから。
ホームの端に立って、人々が行き交うのを見ていると。
彼らは皆急いでいるようだった。
仕事、学校、家族のことがあるんだろうか。
私はただ立っている。
何も急ぐことはない。
ただ、待つだけ。
風が吹いてくる。
髪が揺れ、遠くに電車の音が聞こえる。
でも、まだ来ていない。
私は待つしかない。
待つことは私の日常だから。
電車が来た。
私は乗り込み、座席に座る。
でも、私はまだ待っている。
次の駅まで、そして、次の駅からも。
私はただ待つだけ。
電車は進んでいく。
景色が変わる。
それでも、私はまだ待っている。
待っている。
終わりのない終わりを、待っている。
棒立ち人間 那須茄子 @gggggggggg900
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
近況ノート
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます