その時、トリスは動いた

羽弦トリス

第1話1998年 4月7日

今回は羽弦トリスが大学を目指す前の、特進クラスに入るまでの道程の出来事。

1997年は羽弦は高校2年生。その時は、3年生の1998年4月7日としました。

それでは、その前年から話しは始まります。

九州のど田舎の普通科の進学高校に若し日のトリスは進学しました。

1年時の進学テストで2年生からの特進クラス選別が行われた。

しかし、トリスは7点足りずに特進クラスへ進め無かった。

特進クラスは勉強漬けで、また、教師の熱の入れようが他のクラスよりも強かった。

トリスは有志7名を集めて「被害者友の会」を結成。

放課後、社会科準備室を借りて互いに得意教科を教え合い、特進クラスより良い点数を取る事が目標だった。

トリスの担当は、数学と世界史。


これは、非常に意味のある有志の集まりであった。

2年生時の期末テストの国語でトリスは1位を取る。

古典、漢文、現代文。

特進クラスの国語教師は、

「今回の国語のテストで1位はこのクラスではない。2組の羽弦と言う男だ!お前ら、たるんでないか?」

と、言ったそうな。

そして、2組で国語を教える女性教諭はトリスを昼休み時間、職員室に呼び出し、

「羽弦君。今回はおめでとう。私も鼻が高いわ。次回も1位取れるよね?」

「はい。先生ご安心を」

で、次のテストは78点と言う馬鹿な点数を取ってしまい、先生はやつれた表情だった。

それでも、被害者友の会は続けた。


そして、今回のその時が来ます。

3年生の特進クラスをかけた、選抜試験でトリスは高得点を得た。

1998年4月7日、クラス分けの張り紙にトリスの名前があった。

努力の賜物である。

特進クラスに進んだ被害者友の会の連中は5人。

みんな、大学に進学した。

諦めないと言う精神はこの時から、忠実に生きている。

あの時の勉強が今、生かされている。だが、病気で棒にした。

だが、この先、生かされる時がくる。と思っている。

その時の座右の銘は、捲土重来だった。

今もだ。

必ず僕は社会復帰する。

今回のこの時は、忘れられない日である。

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