内見

紫閻-sien-

《とあるアパートの一室》

不動産屋 「コチラの物件 事故物件と言いましたが

それを除けば なかなかの優良物件かなと」


「うーん いいんだけどな」


内見に来た男の視線の先には女性の幽霊が

般若のような顔で男を睨みつけていた


「帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ」


うわ言のように呟く女性の幽霊


「やっぱり 他の物件 見せてもらえませんか?」


不動産屋 「そうですか わかりました」


逃げるように足早に出ていく男


残された不動産屋は不思議そうな顔をして呟く


不動産屋 「コレで何人目だろう いい物件なのにな

なんで決まらないんだ」


「だったら 貴方が住んでよ そしたら

今度いつ逢えるか 不安にならずに済むのに」


寂しそうに呟く女性の幽霊

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内見 紫閻-sien- @sien702

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