追放された人に復讐されたけどチャンスを与えられました。

@erudo_nike102

第1話 契約

~氷雪ダンジョン~

ここは、氷のダンジョン。

ここに一人、悪魔の少女、ユシェが来ていた。

ユシェ「寒いなぁ…へっぷしゅっ!」

ユシェ「こんな事なら我慢しないで町でコート買えばよかったなぁ…

だけど魔物の私が町に来たら騒ぎになるし…。」

ユシェはそう愚痴を言いながらダンジョンを進んでいた。

彼女は冒険に来たわけでもない、きまぐれで来ているのだ。

そんな時、

ユシェ「ん?奥に気配を感じる…もしかしてダンジョン攻略してる人が

いるのかな?見てみよーっと♪」

そう言ってユシェは観光気分で奥へと進んだ。


~氷雪ダンジョン・最深部~

ユシェ「あらま…。」

ユシェがそこで見たものは、氷漬けになっている三人の冒険者の姿だった。

ユシェ「ここのボスのアイスザードにやられたのかな?」

ユシェ「冒険者は四人で来ることが当たり前だし…一人だけ助かったのかな?

可哀そうに…。」

と言ってユシェがその氷に触ると…。

ユシェ「?」

ユシェ(これは、人間の魔力?)

不思議に思った、何故人間の魔力で氷漬けにされているのか、

そもそも犯人はもう一人の冒険者だと思うが、動機が不明だった。

ユシェ「…とりあえずこの女魔法使いの氷溶かして話聞こうかな?」

そう言ってユシェは炎で氷漬けになった女魔法使いを助ける。

女魔法使い「ぶはっ!」

女魔法使い「あ、あれ?私…生きてる?」

ユシェ「やっほ♪」

女魔法使い「え?ま、魔物!?」

女魔法使いは武器を構える。

ユシェ「まあまあ落ち着いて、魔物を見たら驚くのはわかるよ?」

ユシェ「私はユシェ、あなたは?」

女魔法使い「私は…ロゼ…。」

ユシェ「ねえ、ロゼ、聞きたいことがあるんだけど…。

なんであんたは氷漬けになってたの?犯人は?」

ロゼ「…言ってもあんたには理解できないでしょうね…。」

ユシェ「えぇ~?教えてよぉ~!」

ロゼ「………。」

ロゼ「実は…、ラテラルって言う、私の恋人…じゃなくて元恋人がいたの…。」

ユシェ「へぇ~うらやましいィ…。」

ロゼ「その人、私のパーティから役立たずって理由で追放されて…。」

ユシェ「?」

ロゼ「私は後悔してたのに…復讐しに来たラテラルは私の言う事を聞かずに…。」

ロゼ「私のせいだ…。ラテラル…会いたいよ…。」

ユシェ「…ふーん?」

ユシェはしばらく考え込む。

ロゼ「多分、ラテラルの能力は能力強奪(スキルスティール)だと思う。」

ユシェ「能力強奪(スキルスティール)?」

ロゼ「それで私たちが苦戦したアイスザードを倒して…。」

ユシェ「つまり倒した魔物の能力を得るって事?」

ユシェ「……ロゼ、ラテラルって人にまた会いたい?」

ロゼ「会いたいけど、魔物のあんたに何がわかるのよ?」

ユシェ「そう冷たくしないでよ、恋人同士別れたんじゃモヤモヤするでしょ?」

ユシェ「だから契約しよ?」

ロゼ「契約…。」

ユシェ「私の力を貸してあげる、そしてラテラルって言う人にも会わせてあげる。」

ユシェ「その代わり、私はあんたに魔力を提供するね…♪」

ロゼ「…なんでそんな事…。」

ユシェ「君の為にきまってるじゃん?さ、どうする?」

ロゼ「………」

ロゼ「わかった…契約を受けるわ…。」

ユシェ「よし、契約成立!」

こうしてロゼはユシェと契約したのだった。

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