第19話 15年後

四人で集まってから、15年もの月日が経過した。







「わたる〜。起きなさい〜。」


5分程待つも、全くと言っていいほど、音沙汰がない。


「ゆうたくん、あの子起こして来てくれない?今日が、中学校の入学式っていうのに、まだ起きないから。」



食卓につき、コーヒーを片手に朝食を取る、ゆうたに声をかけた。



「分かった。」


そうして、席を立ち、息子である’’わたる’’の部屋への階段を登る。


「わたる〜。朝だぞ〜。」


「.....うん。今、おきる.....。」


そうして、目をこすりながら、階段を降りていく’’わたる’’を目にした雫が、


「今日、入学式なんだから、ちゃんとごはん食べなさいよ。」


「はーい。」


「あと、もうすぐで’’ゆずき’’ちゃんが来るんだからはやくしなさい。」


「え.....」


「昨日言ったじゃない。」


「えぇーーーーーーーーーーーーーーーーーー。」


「あらあら、恋する男の子は大変ねぇ。」


「う、うるせぇ!!」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


―――ピンポーン


「あ!!ゆずきちゃん、おはよう。」


「おはようございます!!雫さん!!」


「ごめんね。朝早いのに。」


「いえいえ、そんなことないです。あ、あとこれ、母からです。」


「え!?凛ちゃんから!!ありがとう!!」


そうすると、わたるが階段を降りてくる音が聞こえ、


「ゆずきさん、おはようございます!!」


「あ、わたるくん、おはよう。それじゃ、学校に行こっか。」


「はい!!」


「わたる、迷惑かけちゃだめよ!?」


「分かってるって。」


そう言って、玄関を出ていく二人の背中を見た。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜お読みいただきありがとうございました!!

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