人倚鉄道
波多野古風
運転士
やっと、やっとだ。今日初めて人を轢いた。鉄道運転士となって6年、初めて死を目の前で見たのだ。同僚からは、「災難だったな。」と言われた。ああ、そうか。君達には私の想いなど到底分かり得ないだろう。私のこの感情が、凡人には理解できないという事など分かりきっている。
ああ、彼女はどのような気持ちで私に飛び込んできてくれたのだろう。この世に絶望したのか。一瞬の気の迷いだろうか。まあどちらでも良い。どんな感情でも、最期には死に直面した人の絶望と狂気に満ちた感情を見せてくれたのだから。
ああ、あの感情を、もっと、もっと知りたい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます