神々のカイナ~現世に暮らす豊作神と巫女と、人々と神々と~
イズラ
「パーカー娘と天神」編
#1「巫女こと苦労人」
街外れにそびえる
長い階段を登った先にある鳥居には、『
賽銭箱へと続く参道に落ちた枯れ葉たちは、今日も誰かに
「……ふーっ、お仕事終わりっと…………」
黒く長い髪を首後ろで結び、それを留める赤ロングリボンは風に揺らいでいた。
巫女装束を身にまとい、今日も神社の巫女として働いていたは
「ツクリミ様ー! 出てきてくださーい! いい天気ですよー!」
――すると、古ぼけた拝殿の方から返事の叫び声が飛んでくる。
「 「 いまはー! ねむいからー! むりー! 」 」
賽銭箱の奥にある
掛け布団の下では何かがモゴモゴと動いており、
「いい加減起きてください!」
そう言って掛け布団を剥ぎ取ると、そこには丸まった少女の姿があった。
次の瞬間、少女は「むっ!?」 と声を上げ、小刻みにブルブルと震え出した。
「さぁむぅいぃいぃぃいーー……!」
粗末に放り投げられたあったか毛布は、「一緒になりたい……、一つになりたい……」と、
「…………疲れてんのかな、私……」
巫女こと苦労人は今日も疲労を重ねていく――――
神々のカイナ~現世に暮らす豊作神と巫女と、人々と神々と~ イズラ @izura
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