第1章 第4話 週末の探索者《シーカー》活動(2)
「Bランクの深さのところに
アーデルフィアが眉根を寄せる。
「そうですね。上位個体に率いられた集団じゃないでしょうか?」
サイラスが経験上からの推測を話すと、メイヴィルが同意した。
「奥に他の
「上位個体……。
ユイエが魔物学で学んだ知識を思い出しつつ訊ねた。
「ちょっと待ってね、≪鑑定≫してみるわ」
アーデルフィアが遠くまで見渡すために樹上に上って
「
「それはマズいですね……。【消臭】で匂いを消しながら戻りましょうか」
サイラスが4人に【消臭】の魔法をかけながら撤退していった。
「
ユイエがサイラスに訊くと、サイラスは首肯した。
「そうだったと思います。上位個体がいる群れは連携が高度になりますし、
アーデルフィアが樹から降りて来て合流すると、
ユイエ達が
「別に餌を横取りしたりしないから、襲ってこないで欲しいですね……」
何頭か返り討ちにすると、残った
夕食の野営飯を食べつつ、護衛の騎士達3人にも
今回は魔馬の護衛に来た
翌朝、例によってアーデルフィアにホールドされた状態で目を覚ました。健全な思春期男子的にこういうのはいい加減マズいのだ。特に寝起きの生理現象とか。ナニがとはいえないが当たらない様に身じろぎしてから生理現象が落ち着くまで待ち、アーデルフィアの背中をタップして起こしにかかった。
「……んんっ おはよう、ユイエ君」
「おはようございます、アーデルフィア様」
二人は起きると脱いでいた甲冑を着直し、馬車を降りた。護衛に付いて来たジョゼフが火の不寝番をしていた。
「おはようございます、ジョゼフさん。特に変わりなかったですか?」
「おはようございます。特に魔物が寄って来る事もなかったですよ」
何事もなかったのならそれで良いかと朝の食事の準備に取り掛かる。すこし遅れてメイヴィルとサイラスも天幕から出てきた。
朝食を保存食で済ませると、本日は昨日の
【
しばらく歩くと、熊なのか兎なのか良く分からない大型の獣が現れた。体格的には熊にみえるのだが、耳が長く逆立っており、兎のようにもみえる。
「あ、魔物学の教科書でみましたね。名前覚えてないですけど」
「≪鑑定≫だと
「それじゃ戦ってみましょう」
左右に分かれて近付いていくと、2足立ちになって咆哮を上げた。2足立ちで威嚇する様もやはり熊なのだが、後ろ脚が発達している様で兎のように跳躍して襲い掛かって来た。着地点からパッと散開しつつ、正面に立たないように回り込みながら刺突を中心にして攻める。
後ろ脚は発達した筋肉のせいか、刃の通りがあまり良くない。逆に上半身側は
上半身への攻撃が有効な事を確認すると、兎熊の首筋に小剣を突き立てると刃がずぶりと沈み、程なくして兎熊は絶命した。
「毛皮がそれなりの価格で売れるみたいです。一応剥いでおきますか」
図鑑によると名称は
その後、西側の探索を続けていって
焚き火の後をしっかり消火して天幕を片付け、魔馬車で皇都に帰ると、夕方に
報告も一通り終わった所で、ウェッジウルヴズ家の屋敷に帰宅した。
「う~ん、やっぱり魔物狩りは無心でやれて良いわね」
「ですね。でもそんな発言してるから≪
「人を脳筋みたいに言わないで欲しいわ。ちゃんとインテリジェンスに溢れた成長計画に基づいて努力してるんだから」
「その努力は見てない人の方が多いのですから、仕方がないですよ」
「それもそうね……。外での発言はもう少し気を遣うようにするわ」
こうしてユイエ達の週末
(お願い事)
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