世の中、人生は助け合い



 今回の一件で私は人とのつながり、そしてお互いに助け合う事の大切さをより気付かされる事になりました。


 何を当たり前の事を……という方がいるかもしれませんが、そうじゃない場合、そうじゃない人も沢山いると思います。


 実際、私もそうでした。誰にも自分の悩みを打ち明けられず、自分一人で考えるだけ考え抜き、そして袋小路に入って抜け出せなくなる。そうして私は潰れる結果となりました。


 もっと早くに相談すれば良かったのに。誰かに助けて貰えば良かったのに。こういった言葉は結果論だと思うのです。実際にそういった立場に立ってみると、誰にも相談が出来なかったりするのです。


 何でかというと、それは恥ずかしいだとか、格好悪いだとか、自分のプライドがだとか。言葉にすればつまらない事ばかり。だけど、当人にとってはそれが傷付けられる事の方が余程に苦しい事なのです。


 自分の体験談しか語れないので私事にはなりますが、例えば私は発達障害を持っております。なので、普通の人と比べ出来ない部分の事がそれなりにあったりします。まか、これは発達障害とか関係無く、得手不得手は人それぞれにあると思いますが。


 私が特に出来ないのは、ジッとしている事。不注意と多動性が特に目立ちその場で落ち着いていられない。それと集中力が長続きしないというのもあります。


 で、だからこそ周りから見るとそれらが目立って見えてしまうのか、昔から良く怒られたり注意されたりしました。今じゃ体罰だのコンプラだの言われる様な事を過去に何度も受けてきた身です。


 そうした事で自己肯定感が他と比べて低くなってしまい、自分は駄目な人間だと何度も思い悩んできました。そして極端に誰かから注意される事や怒られる事に過敏になってしまい、それを恐れて出来なくなってしまう。


 例えばミスをしたとしても、普通はその事を誰かに、大抵は上の者に報告をする。それが第一です。ですが、私の場合はそれが出来ませんでした。


 失敗をした際に過去の恐怖、具体的には殴られたりや叩かれたり、もしくは抉られる時の痛み、恐怖を思い出し、もしくはそんな事をした自分を強く責める言葉を思い出し、動けなくなる。


 同じ目に遭いたくない。だけど、失敗した事実は覆らない。それでも怒られたり注意を受けるのが嫌だ。そしてその失敗を隠そうと考えてしまいます。


 そんな事をすれば発覚した際により怒られる事になる。当然の結果です。だけど、それよりも今を逃れないとという気持ちから、そうした正常な判断が出来なくなるのです。


 私はそうしたサイクルを繰り返した結果、誰かに相談する事がどんどん苦手になっていきました。自分が間違っていると指摘されるのを恐れて、受け入れられない事を怖がって誰にも話せない。そんな人生を歩んできました。


 だけど、今になって思うのは……それは助けを求めてもいいという事。出来ないなら出来ないで、誰かに助けて貰えばいいのです。こんな当たり前の事を、私は今になって初めて痛感する事になりました。


 今は休職中の身です。もちろん、無収入です。ですけど、そんな自分を周りのみんなが助けてくれました。足りない分のシフトを穴埋めしてくれて、収入が無いから援助をしてくれて、自分が受けれそうな制度について調べてくれる。本当に助けられました。


 この世に生まれてから数十年が経ちましたが、改めて人との繋がり、そして絆の大切さを学びました。これからは今回得た学びを教訓とし、また同じ過ちを犯さない様にと心に刻み込みました。


 そして今は自分は与えられた立場でしたが、立ち直った際には今度はそれを返していく番です。返し返されて、そうやって人と人とを結ぶ縁が出来上がっていく。ここで私の作品を読んでくれている人に出会えているのも、一つの縁だと思います。


 だからこそ、私の様に一人で悩まなくたっていいんです。必ず誰かが助けてくれます。私もそうして助けられた一人です。


 助けて貰う事は決して恥ずかしい事でも、格好悪い事でも無いのです。人として、社会の中で生きていく以上、誰にも助けて貰わずに生きる事なんて出来ないのだから。


 外食をすれば誰かが自分の為に料理を作ってくれる。移動をする際、電車やバスを利用するなら、誰かが運転しないとどこへも行けない。お店に行って買う商品の数々、育てる人や作る人、そして運ぶ人がいなければ成り立ちません。


 そうした事を踏まえつつ、それが当たり前だと感じるのではなく、ありがたいと感謝の気持ちを持って接する。それが生きていく上で大事かと思うのです。


 なので、安易にクレームを入れるのは止めましょう(本音)。誰だって失敗の一つや二つはする。完璧な存在なんて、どこにもいないのですから。


 それを受け入れる寛容さを持って、今日も私は自分の人生を生きていきます。そう、例えさっき回転寿司に行ってブリとタイを注文したら、ブリ2貫のうち1貫がタイで間違っていたとしても、私はそれを吞み込んで受け入れるのです。


 ……だけど、私にそれを作って送ってきたアルバイトか社員の人。次は気を付けようね☆

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