幽界への扉の道を斬り開く

青鳥翔(あおとりかける)

00.プロローグ

俺の名前は黒龍(こくりゅう)。この世界に来てから二十年もの間刀を握りしめ、戦いをし続けてきた者だ。俺は二十年前にとある事故によって死に、この世界へとやってきた。どんな死に方をしたのかについては後々話すとしよう。とり敢えずお前は何故戦いをしているのか?という疑問を抱く者もいる筈だ。何故か教えてやろう。事故死、病死、孤独死などなど・・・。

 天寿を全う出来たかはその人次第だが、それらによって死んだ人間は、この世界へとやってきて化け物に襲われるからだ。幾万、いや幾億か。老若男女問わず善良な人間が何も知らされずに、急に化け物に襲われて消滅していく。そんな酷い行いが繰り返されているこの世界を見過ごす訳にはいかないじゃないか。だから俺はこの世界に来た人を助ける為に刀を振るうのだ。

 だが、俺は一人の女性を除いて誰一人として救う事が出来なかった。毎回俺の目の前で化け物によって消滅させられてしまうからだ。何者かに俺自身の行動を操られているかのような気がして、それがとても悔しい。だからその悔しい気持ちを常に背負いながら、次に来る人は絶対に守ると決心した。さて長話は置いておいて、今日もその女性と共にこの世界にやってくる人を助けに行くとしよう。

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