燈和=フラデリカ編

第6話 燈和とフラデリカ

「やぁ・・・燈和。今、殺して助けてやるからな」

「・・・」


 獄炎に包まれた幼馴染に声をかけるも返答は無く、代わりにただただ殺意だけが向けられた。

 その距離5メートルといったところか。燈和を中心に燃え盛り、渦巻く炎はその範囲を裕に焼き尽くす。

 当然、氷戈もその炎に喰われているが火傷を負うどころか顔色ひとつ変えない。


 これは氷戈のカーマ『絶対防御』の力によるものであり、燈和が発す炎の大小に関わるどころか熱によって巻き起こる暴風すらも遮断する。


「・・・私はトウカなんかじゃない」


 その美形な顔を恐ろしく歪ませ、告げる。


「私の名は『フレイラルダ=フラデリカ』。フラミュー=デリッツの焔騎士であり、No.2ツヴァイルの名を冠する者だ」

「・・・そうか。そうだったな。も生きてるんだな」

「何を、訳の分からないことを・・・」


 燈和か、フラデリカか。トウカで、フラデリカか。

 彼女は憎悪の対象に哀れみの表情を向けられ一瞬戸惑うも、その覇気を揺るがすことはなかった。


くぞ、青髪!貴様の首を落として我々は勝利する!」

「・・・来いよ。絶対に取り戻してやる・・・」


 フラデリカは2刀のレイピアを、氷戈は等身ほどの槍を構え両者は臨戦体制へ。


「はぁぁ!」

「・・・」


 熱き赫と凍てつく蒼の激突の行方は、如何にーー

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