いじめと恋の両立で、最高の高校生活を送る青春ダイアリー!!

夢色ガラス

クラス替え!奇跡起きろっ!

勉強はできない!可愛くもぉ…ないっ!(受け入れろ私)

運動することだけは好きで、小学校1年生の時からスイミングやってる。好きな教科は体育で、嫌いな教科はそれ以外全部(おい)。特技はスイミングで、最近の趣味はスマホゲーム。アプリ内で飼育してる猫を成長させることにハマってる。高校生になってはじめてスマホをゲットして、はじめてインストールしてみたゲームだ。自分でデザインした可愛い猫にエサを与えたり、一緒に遊んであげたり、お世話してあげるゲーム。私の猫はニャー、じゃなくてミウーって鳴くから、名前はミウ!ミウは私の友達。


好きな食べ物は給食のカレーについてくる福神漬け。あ、好きなのはカレーじゃなくて、福神漬けね。好物ぐらいはお母さんの手料理にしなさいだとか言われたりするけど、それは知らん。え?だって福神漬け美味しいじゃん!え?美味しくないなんて言わないでよ!福神漬けの気持ち考えてよ!…ん?なに?……じゃあお前はピーマン好きか、って?いやぁ、今その質問はズルいでしょーっ。


…と、話が逸れましたけど。そう、それがこの私、沿道えんどうさゆ。ピーマン嫌いな高校生!…ごめんピーマン。


「さゆーーーーーーーーーーー!!!!!!」


ピーマンに謝っていると、リビングからお母さんの大きな声が聞こえてきた。半分夢の中にいた私は、はぁい、と小さな声で呟いてから布団を持ち上げた。

「さっっっっっむ!」

もう1度布団に潜り込む。肌に触れた空気が驚くほど冷たい。4月ってこんなに寒かったっけ。春休みがはじまってからしたことと言えば、スマホいじって寝てただけだったから(スイミングはサボったから多分次行く時に怒られる)ベッドから起き上がったのは久しぶりだ…zzz。


「さぁぁぁぁゆぅぅぅぅぅ!!!」

怒鳴られて起こされた時には、春休み前と同じ、遅刻ギリギリの時間になっていた。慌てて起き上がって、制服を着る。ボブの髪の毛がグシャグシャなことに気付いて慌てて水をつけ、櫛でとかす。前髪命!!!

髪の毛を整えていると、とうとうマジでヤバイ時間になってきた。次遅刻したら親呼ぶぞ、という鬼教師の言葉が脳裏をかすめ、冷や汗が出てくる。もし呼び出されたりなんかしたら、お母さんは私のスマホを解約するだとか言い出すんだろう。それだけは猫のミウのために、回避しなければ。

今日も当たり前に朝食を抜いて、家を出る。


今日から私は、高校2年生。走りながらクラスメートのことを考える。今日はクラス替えだ。全力ダッシュしながら、クラスメートの名前を思い浮かべる。

高1の時に同じだった梅子うめこちゃんと同じだったらいいなぁ。ついでに、学校1美人なあの子…凛音りおんって子とは一緒になりたくないなぁ。面倒事に巻き込まれたくないし。…まぁ、梅子ちゃんが言っていた話が本当かは分からないけどね。


『凛音って子、いじめっ子らしいよ。なんかね、逆らう人は徹底的にいじめるんだって。頭が良いから、陰口とかで精神的に苦しめてくって噂。ちょっとしたことでも気に食わないことがあると目つけられるって。男子が凛音のことを好きになるのは当たり前じゃんっていう意地悪な感じらしいよ。…まぁ、凛音の可愛さとモテモテさを妬んだ女子が変な噂を流しただけかもしれないけど』

学校が終わってから2人でファミレスに寄った時、梅子ちゃんがそう話し出した。噂を全て信じるんじゃなくて、疑ってみることができるって梅子ちゃんらしいな、と思った記憶がある。


ぐるぐる考えていると、約束通り校門前で待っていてくれた親友と合流することができた。クラス表は一緒に見よう!と約束していたんだ。

「梅子ちゃん!待たせてごめーん!」

「さゆちゃん!遅いよ、遅刻しちゃうよー」


それからのことは、覚えていない。だって、ショックすぎて。神様に見放され過ぎて。魂が抜けた状態で教室に入ると、いつもとは違う顔ぶれが目に入ってきた。うわーん、梅子ちゃんがいないよぉ!


始業式の日だからか、お利口にもう席に着いている人たちばっかり。私だけ立ってるのって、やっぱり気まずい。そそくさと席を見つけて俯きながら椅子に座った。


「えー、このクラスの担任の山本やまもとと申します。えー、よろしくお願いします」

担任は、えー、が多いと有名な、山本先生だった。教科は数学らしい。ヤバイ、この人の声心地よすぎ(ポジティブに捉えよう!)。山本先生の授業絶対寝ますごめんなさい。


今日はお昼前に学校が終わった。クラスメートはホームルームが終わった瞬間に立ち上がってそれぞれ友達と話し始めた。

「クラス同じなの嬉しすぎ!」

「これからもよろしくなー」

「うちら運命!?」

「だるーあいつと離れたんだけどー」

私、気まずい。さっさと帰ろうかな。そう思っていると。

「あれー?ひとり?」

華やかなオーラを振り撒く、甘い声の人に声をかけられた。うわ、可愛い。え、可愛い!

「ひとり、だけど…」

小さな顔に小さな手をサッと添えて笑う彼女は、どうしようもなく美人だ。私はクラスでも目立つ方でもなかったし、クラスメートと交流が多いわけでもなかった。はじめて見た彼女は、校則違反だから多分メイクもしていないんだろうけどものすっごい華やか。

「えーっ本当?この後私達打ち上げでカラオケ行くんだけど、来ない?」

可愛らしい顔立ちと、さらさらの髪の毛にうっとりしていると、その子から急なお誘いが。可愛い子の後ろにいる5人ぐらいいる取り巻き?(取り巻きもかなりお洒落で1軍女子って感じ)が行こ行こ!って私に言ってくれる。え、この人達、ひとりでいる私に気遣ってくれたの!?や、優しい、のかな。

「私が行ってもいいの?」

友達とカラオケで盛り上がることは、嫌いじゃない。遠慮気味に答えると、みんなが可愛くコクコクと首を縦に振る。

「いいよ!あ、でも私のお金は奢ってね?」

可愛い子がニヤリと笑って言うので、ドキッとした。脅し…?ちょっとヒヤッとして唇を噛むと、後ろの取り巻き達がキャハキャハと笑った。その中のひとりが言う。

「さゆちゃん冗談だからね?!もー凛音りおん、純粋な子を騙しちゃだめだよ!w」

その時、可愛い子の名前が凛音、だということを知ってドキリとした。梅子ちゃんが言ってた、意地悪って噂の…凛音ちゃんだ。


「ごめんごめんw。じゃあ今日の打ち上げは、ファミレスの隣のカラオケで!さゆちゃんのこと、待ってるね!」

凛音ちゃんは可愛くそう言うと、くるりと鮮やかにターンして、私の反対側にいた男子に声をかけた。

優希ゆうきー!今日打ち上げでカラオケ行くんだけどぉ、優希も行かない??私も行くしぃ、別に歌わなくても平気なんだけどぉ、優希いたら多分盛り上がるからぁ、来てほしいなぁ~」

違和感の残る声が耳をかすめた。

「え?」

ぽつりと声が漏れる。なんでかって?…だって凛音ちゃん、今私と話してた声と全然違う声で話してたんだもん。語尾に余韻が残るあまぁい声で、なまぬるーい声で。私の時は冷静な目(?)で話してたけど、男子に話しかけた時は、とろーんとした熱っぽい視線。え、これって…漫画とかにいる、男子に態度違う女子ってやつ!?


アニメ以外にホントにいたんだ!!!


気持ち悪いだとか、おかしいだとか、そういう感情を持った訳じゃなく、身近にアニメキャラいたー!!!っていう感動があった。現実世界にも、自分に自信満々な、男子大好きな乙女が存在したんだぁぁぁ!


そんなこんなで、漫画でしか見たことのないような典型的な男好きを見ることができて、一日中フワッフワ浮いてるような気分でしたとさ!

(多分私は男が好きという以前に、他人に興味がない人とばっかり接してきてただけだと思う。男好きは世界にたくさんいるらしいし。

で、放課後のカラオケでは、私は全く歌わず、可愛い歌を歌って男にちやほやされる凛音ちゃんと、女にちやほやされる優希くん ←優しくてモテる男子 を見ただけでした)



続く!


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