天外仙記・恋恋ちゃんのお仕事。

猫野 尻尾

第1話: この平和ボケしてる日本で?

お試し投稿〜、二話完結です。(=^x^=)


最高位の仙人、仙女は天上界に住み仙術、神通力は広大で変化は計り知れず、

また不死の人であり雲中を飛行できる神の次に偉大なる存在とされている。


仙人 、仙女はもともと人間だが長年の修行を経て自らの住処を仙境に変え、

天上に至るまでは仙術を操って世のために善行を尽くす。


なワケで、まあどうでもいいウンチクはそのへんにして、昔の書物や伝承に

しか登場しない伝説上の「糸瓜島へちまとう」ってところから修行中の一人の仙女が日本に

やってきた。


その日、僕は高校に通学中で電車に乗っている最中だった。

そしたら電車がブレーキをかけて急停止した。


頭に浮かんだのは、もしかして踏切事故かなにか?。

そのままじゃ窓から状況を確認することもできなかったから僕は無理やり

電車のドアを開けて外にでた。

他の客の何人か、なにごとかと僕の後から外に出てきた。


そしたら踏切事故じゃなくて何かが電車の走行を邪魔したみたいだ。

僕はすぐに電車の上にいる、ふたりの人物が目に入った。


「え?・・・なに?人が宙に浮いてる?・・・ありえないけど・・・」

「あんなところで何やってんだ?」


空中にはふたりの人物がいた。

一人は頭の禿げたおっさんで、もう一人は、え?女の子?。


すると禿げたおっさんが手から何か光を放射をして女の子を攻撃してるようだった。

女の子も、おっさんが放った光を避けながら、なにか金色の輪っかみたいなものを

投げて応戦していた。

輪っかは投げるとブーメランみたいに女の子の元に帰ってきた。


普段、絶対見ないだろうって光景に唖然とするばかり・・・。

ヒーローモノの特撮映画でも見てるみたいだった。


この平和ボケしてる日本で、あの人たちはなんで戦ってるんだ?

戦いはさらに激しくなって、おっさんの方が女の子に押されていた。


でも女の子のほうも手傷を負ってるようで肩で息をしていた。

このままじゃ不利と見たのか、おっさんは捨てゼリフを残してその場から消えた。

追いかける力が残ってなかったのか女の子は、ちょうど僕がいる場所に

降りてきた。


激しく戦ったせいで、もう飛ぶ力も残っていないんだろう。


「あの・・・誰か知らないけど君、大丈夫・・・腕から血が出てるけど」

「早く手当しなきゃ」

「救急車呼んだ方がいいよ・・・病院へ行った方がよかない?」


「ごめんなさい、あなたにも、みなさんにもご迷惑かけて・・・」

「だけど、私大袈裟にしたくないんです」

「今の戦い、見られたのはしょうがないけど、見たことを人に言いふら

さないで欲しいの」

「公に知られたら大変なパニックになるから・・・」


「あれだけ激しくやったら、いっぱい写メ撮られてるよ」

「すぐにネットに拡散されるよ?」


他の乗客はなにごとかと見ていたけど、触らぬ神にと思ったのか誰も声を

かける人はいなかった。


「でも、とりあえず身を隠さなきゃ・・・」


「え?どうすりゃいいんだよ」

「え〜僕、これから学校なんだけど・・・」


「私、病院とか警察とか個人的情報を開示しなきゃいけないところには

行きたくないんです」

「お願い・・・わたしをあなたの家にかくまってくれませんか?」


「匿うって・・・見て見ぬ振りできない状況だよな・・・」

「怪我を負ってるこの子を放ってはおけないし・・・病院もイヤだって言うし」


「私、実ここに来たばかりで右も左も分からなくて・・・だからいずれは

この日本をもっと知るために知り合いを作らなきゃって思ってたんです」


そう言われたから周りを確かめると僕しかいないわけで、だから僕は自分を

僕?ってふうに指差した。


そしたら彼女はコクンってうなずいた。


「なるほど、僕が彼女の知り合い第1号ってわけか?」


つづく。




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