幼馴染マヒしてて好きかわからないからキスしたいっていわれたらそりゃあ…
猫の集会
ばカップる
本日オレは、幼馴染を押し倒している最中でございます。
なぜそうなったかって?
そりゃぁ…好きだからです。
…
ことのはじまりは、幼馴染の
好きな人って…そうやってつくるもんなん?
…
「あのさ、柚愛…ならオレにしとけよ」
と内心ドキドキ脇汗ダラダラ、手汗ベタベタで頑張って言ってみたんだが、
「へ?………却下」
と、あっさり却下されてしまった。
「てかさ、
…そっからかよ。
高校生にもなって好きがわからないとかって…
もう呆れたオレはゴクゴクとお茶を流し込んだ。
だって、脇汗と手汗でからだの水分が奪われたからさ。
すると柚愛がいきなり、
「キスしてくれない?」
なんて言い出したんですよ。
いきなりなんなんだよ⁉︎
オレは…てか、オレの部屋は…小さなお茶の水たまりが出来上がりましたよ。
もう…めっちゃ吹き出したよね。
「はぁ?なにいってんの?」
「キスって実験らしいの。もしかしたらわたし、知らないあいだに圭太を好きかもってなってるかもじゃない?幼馴染マヒってやつ。だから、それを解明するためにキスできるかどうかで好き嫌いがわかるって友達が言ってたの。だから実験」
…
いや、たぶんそんなことしなくても…さっきあっさりお断りしてんだから好きじゃねーだろうに…。それにやっぱりできないって言われたらさ…
…
オレって、一日に何回ふられんの?
心えぐられまくりじゃね⁉︎
「そんなことしなくてもオレのこと好きじゃねーだろ」
「まぁ…ね…」
…
グサっ
また無駄に傷つくオレ。
「でも、ほらわたし…好きって感情がわからないだけで…ほんとは好きとかあるんじゃないの?隠れハート的な?」
…
「なに隠れハートって?」
「知らんし」
…
自分で言っといて無責任ーー‼︎
ならさ、本だな。もう恋について勉強するしかないだろう。
「ほれ、これオレのにーちゃんの恋愛勉強本のお古。自分に当てはめてみたりしたらいいんじゃん?」
と柚愛に貸してあげることにした。
まぁ、ただの恋愛コミックだけどさ。
すると漫画をパラパラめくり、表紙をガン見して柚愛がプルプル震え出した。
え?
「柚愛?」
「こ、これは…やばい」
「え?」
「わたし…好きなのかな…」
「漫画?」
「ううん、圭太を」
⁈
なぜそんなパラパラみて漫画の表紙見ただけで…
「どうしてそうなった?」
「だって…見てよ‼︎この表紙‼︎」
みると男の子が女の子にハグしてる絵だった。
「見たけど…」
わからん。
「わたしこれを圭太に当てはめたの。で、隣が圭子」
「だれ?圭子って?」
「知らん‼︎けど、圭太と圭子が抱き合ってたら、何してんじゃボケコラァって脳内が騒ぎ出したの。これはカキモチですよね?」
「ヤキモチだろ?」
「あー、そう。だからキス」
⁈
とにかく簡単にキスを要求する幼馴染の柚愛。
これは危険だ。
柚愛は、もしかしたらいろんな人にキスして?と言いかねない。
なんとかして阻止せねば。
「柚愛、そう簡単にやすやすとキスしてとかいうもんじゃないよ。」
「でも、それじゃ実験が…」
「じゃあさ、その実験オレとだけにするって約束できる?」
「えっ、…うん。」
「なら、いくよ」
ドスっ
オレは柚愛を押し倒した。
「えっ?」
びっくりした顔の柚愛にオレは追い討ちをかけた。
「どう?オレこんなに近いけど」
「えと…えと…」
「キスしていいの?」
「んと…その…」
…
どっちだよ…、どうなんだよ?ドキドキか、それともイヤイヤか…
「する?しない?」
「そう…いわれると…えと…」
「早く決めないとしちゃうけど?」
「あー…どうなん?これってどうなんよ圭太⁈」
…
「いや…オレにきかれても…ね?」
柚愛がジーッとオレを至近距離でみつめている。
そしてオレも狙った獲物を捕らえるくらいの勢いで柚愛をジーッとみた。
…
かわいい。
至近距離の柚愛もめっちゃかわいい。
オレはできればキスしたい。
そしてイチャイチャもしたい。
ハグからのキス、そしてまたキスからのキスキスキスキスキス……………ってさ‼︎
ヤベーよ‼︎
オレの理性がぶっ飛んでしまうっ‼︎
無理だ。
オレが無理だっ‼︎
とまらなくなる…。
…
「ごめん、柚愛。やっぱオレが無理。」
オレはパッと柚愛から顔をそむけて背も向けた。
はぁー…あぶねー。
あんな至近距離でそんなこといきなりしたらもうね…?やばいでしょーよ。
「実験…」
「え?」
柚愛が小声でなんか言い出したかと思うといきなり部屋から走って帰っていってしまった。
「柚愛ー?」
…?
柚愛は、この一瞬で本を手に持ちスピードスケートの選手並みの速さでオレの部屋を立ち去った。
すげー速さだな…。てか、動物が敵から逃れるくらいの動きだったぞ。
オレは…敵とみなされたのか?
…
オレは柚愛が心配で柚愛の家に行ってみた。
「柚愛?なんで急に帰ったの?」
ドア越しで聞いてみた。
「え…だって…圭太が…てか、どうやってうちに来たの?うちは、圭太の家から…さんぜんミリメートルもあるのに」
…
「なんでミリメートルにしてんだよ…メートルにしたら、三メートルじゃんかよ。家となりだし」
「あー、そうなんだ…」
そうなんだって…
「てかさ、あけてよ。入っていい?」
「ダメっ‼︎入らないで‼︎わたしのドアは、故障してます‼︎」
わたしのドアって…
「え、ドア壊れたならオレがなおそうか?」
…
「むっ…むりだよ。だって圭太…圭太は…」
柚愛泣いてる?
「柚愛‼︎どうした⁉︎あけるよ?」
「いやっ‼︎わたしの心のドアをしめたのは圭太じゃん‼︎」
⁇
え?
意味がわからん。
困っていると柚愛の家の猫がオレにスリスリしてきた。
「おお、ミルクー。どうしたぁ?」
とナデナデしていたら柚愛がドアを勢いよくあけた。
「…しないで…」
「え?」
「だからぁ…柚愛いがいの人とイチャイチャしないで。」
と言ったかと思うとまたドアを閉めてしまった。
あら?
「柚愛…?」
…
「まさか実験が失敗に終わるなんて…圭太…圭太のせいで実験が失敗して…圭太のバカァ‼︎」
と泣きながら怒っているようだった。
「柚愛どうしたんだよ…」
「わたし…まさか圭太にドアしめられるなんて思ってもなかった。」
⁇
あなたがしめたんですよね?
⁇
てか、さっきより少しあいてる…ような…
「柚愛がドアしめたんだよね?」
「違うよ‼︎圭太がしめたんだよ‼︎バンって‼︎壊れるくらい。てか、壊れた」
…
え?
オレはドアをマジマジとみて確認した。
壊れてなくね?
てか、オレドア触ってなくね?
そもそも柚愛の部屋久しぶりにくるし…
⁉︎
「圭太は、いつもオープンなんじゃなかったの?わたしのこと好きなんじゃなかったの?オレと付き合うかって言ったのは、遊びなんだ?」
ドアって…心のドア…だったり?
でも、オレ心のドアしめたっけ?
しめてなくね?
「あのー…どうした?」
「どうしたもこうしたもないっ‼︎圭太は、柚愛とキス…したくないんでしょ?無理なんでしょ。」
…
あぁ、柚愛はもしかして勘違いをしているのかもしれない。
「柚愛、入るよ」
オレは柚愛の部屋にゆっくりと入った。
するとティッシュが何枚か床に落ちていた。
「柚愛…泣いたんだ?」
「泣かせたのは圭太なんだからね」
…
「柚愛、オレがキスできなかったのは…その…いろいろと理性が吹っ飛びそうで抑えられないかもしれないって思ったからなんだ。柚愛がそれじゃ可哀想だろ。オレは柚愛の気持ち無視して暴走したくなかったんだ…」
と、正直に打ち明けた。
すると柚愛は、
「え…?じゃあわたしとのキスが気持ち悪くなったんじゃなかったんだ?なら…なら…」
「なら?なに?キスしていいの?」
柚愛は、顔を赤らめて頷いた。
「でも、オレ暴走するかもよ?」
「うん。して?圭太の気持ちが知りたい」
‼︎
オレのスイッチをオンにしてしまった柚愛。
それならばとオレは柚愛をゆっくり包み込んでキスをした。
うおー‼︎
あったかいし柔らかいし、ゾクゾクってなったぞ⁉︎
なんだよ‼︎これ‼︎
最高じゃん⁉︎
「柚愛、愛してる。」
チュチュチュ♡
「わたしも愛してる…けど…ちょっ…どこにキスしてるのよ…」
「いったろ?オレ暴走するかもって。それに口にだけするとは、いってないよ♡」
オレは柚愛をキス攻めしてやった。
「わたしもお返し♡」
とオレたちは、キス魔カップルになった。
「ねぇ、圭太。好き」
「うん。オレも好きだよ」
「まさかキスしたら好きってわかるなんて知らなかった。あと……電気が流れるってことも。好きってしびれるんだね」
おぉ〜、それはよかったわ。
「なら、もう一回一緒に感電しようぜ♡」
「うん♡」
チュチュチュ〜〜♡♡
おしまい。
幼馴染マヒしてて好きかわからないからキスしたいっていわれたらそりゃあ… 猫の集会 @2066-
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