第18話 目を覚ますと……。
「知らない天井だ」
僕の視界には白く、広い、知らない天井が広がっていた。
この薬臭い匂い、永遠に続くピッピッと続く電子音。どうやらここは病院のようだ。この情報量でそれを容易に判断することができた。
そうしていると、病室の扉が開いた。そこから入ってきたのは、看護師さんであった。
「あ、目覚めたんですか?!」
「あ……。はい……」
「ちょっと、先生呼んできます!」
そう言って、看護師さんはそこから早々と去っていった。
「………………」
いったい何があったのだろうか。
一旦、記憶を整理しよう。
辻との地獄の下校時(しかし、女の子が自分に跨っている状況は興奮するので、勃起はする)になんか気色悪い悪魔に会って、そいつに……。
そこから、記憶が残っていない。ここで気を失ってのであろうか。
いや、何か薄っすらと記憶に残っているものがある。僕はその記憶を何とか取り戻そうと、頭をひねらせた。
確かあれは、天界の話であったか。
添付ではない、別の女神が目の前に立っていたのだ。
その女神は添付とは違い、超幼女体系であったのであるが、気はとても強かった覚えがある。
「なんで、あなたがここに……」
「どういうことですか?」
どこかで見たことのある、いや忘れはしない。あの女神とあったところと同じような場所に僕はなぜかいた。
「ここは……」
「ここは本来、死者が来るべき部屋よ、つまりあなたがここにいるっていることは、あいつがやらかしたってこと」
あいつとは女神、つまりは添付のことを指しているのであろう。
そう言えば、彼女があの学校に入学してきた理由は僕の護衛とか言ってなかったっけ?
そんな気がする。
つまりは彼女が言うには、その任務が完遂できずにここにいるから、彼女はこう言っているのであろう。
しかし、そこからしばらくした後、そこから僕の体はどんどん消えて行って、その目の前にいる幼女女神が……。
「なんだ、蘇生に成功したのか、もうここには来ないように頼むぞ……。ハリノシミール……」
と呟いて、そのあと僕はここにいる。
「蘇生に成功」とは、どういうことなのであろうか?
つまり、僕は一回死んだのか?
状況がよく読めない。
すると、医者らしきものが病室の扉を開けて、入ってきた。
「お、本当に気を取り戻したのですね」
入ってきた医師は、ムカつくほどイケメンな医者であった。看護師の間でこの医者を通した喧嘩が起きていそうだ。
「あの、僕はどうなっていたんですか?」
「あ、心肺停止していました」
「へ?」
僕は耳を疑った。
「はい、心肺停止していました」
まさか、本当にそうだったとは……。
「しかし、あなたのお友達が適切な対処をしてくれたので助かったのですよ、すべて丸く収まったら、礼を言っておいたほうがいいですよ」
「はぁ」
「さて」
その一言で病室内の雰囲気ががらりと変わった。
「あなたの体に科学的に少し信じられない、何やら非科学的なものが憑いていた痕跡があるのですが……。何か説明してくれませんか?」
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