変態たちのテンプレラブコメ
端谷 えむてー
プロローグ Room of goddess in dream
高校生活を明日に迎えた僕………………。
ふとある時、開眼すると、見覚えのない場所にて見覚えのない美女が見えた。これは、不可抗力だ。とそのわざわざその彼女が着ていた服の形状によって見える谷間を見て、鼻の下を伸ばす。
「こんにちは……。って何ですか?その顔……」
「そんな服着てるあなたが悪いですよ……。僕は健全な男子高校生ですよ?そんな谷間見せつけられたら興奮もしますよ」
「だからって、股間をおさえないでください!」
「なんです?じゃあどうすればいいんです?ここで堂々とビンビンの我が息子をあなたにさらけ出せばいいんですか?」
「そうは言ってないでしょう!」
彼女はまだ名前も訊いていないのに涙目になってしまった。何故だろう。あんなに怒られて、僕が泣きたいくらいなのに、何故だろう、自然と笑みが溢れてしまう。それによって、よだれが無造作に垂れる。これは自分でも不潔だと思う。
*****
「ところで一体これは、何が起きてるんですか?あなたのエロさに圧倒されて全然気にならなかったんですが」
「うう……。早く帰りたい……」
さっきまで偉そうに椅子に脚組んで腰かけていた彼女だが、今となっては、部屋の隅で体育座りで泣いている。なぜ彼女は泣いているのだろうか。
「あなた、バカなんですか?そんなのあなたがそんな変態な事ばかり考えているからに決まってるからじゃないですか」
「あれ……。もしかして、心読めるんですか?」
すると、彼女は落ち着きを取り戻したようで、また、椅子に座り足を組んだ。
「私はあなたたちで言う神というものです」
「いや……。質問に答えて欲しいんだけど……。ん?神?神ですか?!」
「はい、まぁ、女の神なので、女神と言った方がよいかもしれませんが」
*****
女神様かぁ……。
「神様と人間の子供ってどうなるんですかね?一回、試してみていいですか?」
「きしょ。話、続けていいですか?」
「はいどうぞ」
これ以上訴えてもヤらせてはもらえないだろうなと悟り、ここでこの内容の話はすぐさまに切り上げた。
*****
「で……。そんな女神様が一体何の用なんですか?」
僕は丁寧語で訊ねた。
「はい、実はあなたはとある呪い(?)をかけられました」
「呪い?なんで(?)がついているのか疑問なんですが……。それ、誰がかけたんです?」
「ああ……。私です。私」
女神は自分の顔を指差した。
「なんか、有害そうだから、ぶん殴っていい?」
「ちょっと……。怖いですよぉ……。やめてくださいぃ……」
「じゃあ、殴らないから、ヤっていい?」
「なんで、そこまでヤりたいんですか……?」
「男の子だもん」
僕は当然の理由を言った。
*****
「で、その呪いというのはどんなの?」
「それは………………」
ゴゴゴゴゴというオノマトペとともにタメがつくられた。
なんだ……?なんだ……?
「テンプレ恋愛イベントがこの高校生活にて発生する呪いです!」
「………………??」
何言ってんだこいつ。
「まぁ、話すより、体感するが良し!はい、もう6時ですよ!起きてください!」
「……アレ?ここって、夢だったんですか?」
僕はそう訊ねたが、この日、答えが返ってくることはなかった。
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