第38話 チキン野郎と国王陛下

王都シンドゥーラには王様が居る。

王都だから当たり前だが…

東海林達は巳年の干支であるサンティラ・神・サーペントを退けた。


しかし、何故か王様に呼び出された俺は…今…謁見の間に居る…


正直…非常にめんどくさい上に絶対に厄介ごとに決まってる。


「皇帝陛下ご入来!」


家臣の1人がそう言うとファンファーレを告げるラッパを鳴らすと奥から髭を生やし王冠を被った赤いマントのいかにも王様らしき人物とピンク色の髪をした豪華な衣装を纏っている若い子はきっと王女だろ。


「私が、シンドゥーラ帝国国王、ジルベルク・シンドゥーラである。こちらは娘の…」


「シャルロット・シンドゥーラです」


「東海林様ご挨拶ですわ!」


「東海林勇気です」


アンにとエミに押さえつけられ膝まつかされる。


「東海林殿!陛下ですよこちらは!」


「東海林様!!流石に失礼すぎますわ!」


侯爵令嬢である以上は最低限の威厳は保たないとならないのが貴族の面倒な所だよな本当…ていうか、離せっての!


「構わん。それよりもジョゼフィーヌ侯爵嬢よ。何故サンティラ国の神が我が国へ来たのだ?四聖獣が言う宝を持っている者が居るからか?」


「はい陛下」


「それが、その男か?」


「はい。こちらの東海林殿は異国から来た殿方で彼の故郷で衣服へと変貌した我が国の護神獣様がいらしたそうなのです」


「何!?神・ドゥーラ様がその男の衣服に化け身を潜めていたのか?」


まあ、確かに服ではあるが…着ぐるみはどうなんだろうな?


「東海林殿、神・ドゥーラ様を見せてくれぬか?」


「は、はあ…」


東海林はチキンスーツを身につけた。


「こ、これが神・ドゥーラ様だと…」


王様は驚愕した。

そりゃ自分の国の神様がこんなあからさまに滑稽な鶏の着ぐるみに成り果てれば驚くよな。


「可愛いですわ」


「シャルロットよ、そう言う場合では無いぞ。一国を争う大変な事態なのだぞ!」


何か嫌だ予感がしてきた。


「陛下一国を争うとは?」


それを言うなら一刻を争うじゃないのか?


「先程書状が届いた、クンビーラ国の軍隊が我が国へ向かってきて居るのだ!」


クンビーラ国って…あの鼠の国か…

何か凄い腹立つ奴だったもんなあの鼠。


「狙いは神・ドゥーラ様つまり貴様だ!」


「はぁ!?俺っ!?」


「当たり前ですわ!」


「東海林殿以外に狙われる者は居ませんよ」


「レグが宝を持ち逃げしたばっかりに…」


「ティナ!?お前何で居るんだよ!?」


この場には確かに呼ばれてないよな。


「貴様何者だ!」


「アンティラ国の護神獣…アンティラ・神・ラビットです」


頭を下げるティナ。


「はい?」


「訳あって元に戻れない。シンドゥーラの王様に私の国は敵対する気は無いといいに来た」


「ジョゼフィーヌ侯爵嬢。確かなのか?」


「はい。彼女は間違いなくアンティラ国の神アンティラ様です。先程のサンティラ様との戦いで深傷を負い今は元に戻れませんが」


あの蛇に封印されて元に戻れないんだよな。

たく、面倒ごとにしやがって。


「あの王様…俺を呼んだ理由って?」


東海林は口を開く。


「うむ、我が国は貴殿によって危機にされされている」


え?


「11国家はいや正確には10国家がかわるがわる攻めてくるかもしれん。そこで貴殿に責任を取って貰いたい!」


げ…この流れは…もしかして…


「我が国を向かってくる十二神獣の使いの者達から防衛してもらう!」


ほらやっぱりなっ!!



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