わかってよそれくらいのこと

@tsukieda

第1話




郵便を出す




これは謝罪の手紙




残るは努力のカケラ


積み上げてきたものをすべてーーー失ってしまうとしても
















簡単な手続きのみであった


身分証明と推薦書。それがあれば門を叩くことができた




不快なほどにすんなりと進んでいく出来事に違和感さえ感じる


黒に近い焦げた茶色いローブを脱ぐ


室内は公共機関特有の大出力魔法具によって適温を保たれている


行き交う人々は忙しなく、皆他人にはひどく無関心だ




身に着けているものはローブ以外は新調したものであり、着心地がよくない




手続きを終えると後日発送される支給品の届け先を聞かれる


慣れない住所を記入し、ありがとうございました。と言い帰路につく




何もかもが新鮮である


しかし気持ちが晴れやかというわけでもない




入学式は3か月後


何もない時間を過ごすのであろう、焦燥感もない毎日を














それが欲しくて“”ここ“”へやってきた


僕はただ疲れていただけなのかもしれない


すべてを決断しっきた先では杞憂が尽きないものだ


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