第15話

「ねえ、アルバスは先生もたぶらかしてるの?」


「だから、先生とはそんな関係じゃない!」


「先生とは。といことはつまり先生の他にそんな関係を持ってる人がいるという

事?」


「ああ、ああ、そうですよ。そんな関係を持つ人が後五人はいるんですよ」


さっきからチェリーに糾弾されている。


「……言っとくけど私はあの赤髪や淫乱教師とは違って甘くないから」


「お前キレると口が悪くなるよな」


確かにチェリーは訓練は激しかった。


一切手加減しないどころか殺気が混じってる。


「“クラーケンの手”」


「“カームダウン”」


俺の自慢のタコの手の動きが止まった。


「“プラントスメル”」


「“ストップスメル”」



発芽の花粉もあっさり落ちた。


(こいつの鍛錬はぜんっっっぜん面白くない!!)



チェリーの能力は治癒がメインだ。痛みや傷の広がりを抑えることが出来るが応用すれば生物の動きも抑えることが出来る。


「チェリー。お前男心は分かるか?」


「だから言ったでしょ。私はマチや先生と違って甘くない、と」


挑発的な顔で俺を煽った。



「どうしても、私の風紀を乱したいなら腕を上げることね」


(私の風紀ってなんかエロイな)


そんな事を考えていると


「ゴホ!ゴホッ!」突然チェリーが咳き込んだ。


「おい大丈夫か?」


「大丈夫だにゃ…」


「へ?」


今こいつ大火ににゃって言ったぞ。


「な、何でもない!ただ言い間違えただけだにゃ!」


「また、にゃって…」


ホントにどうしたんだろ。まあかわいいからいいけど。



「今日は帰らせてもらうわ!!」


「お、おう」


そう言ってチェリーは足早に去った。


その日以降チェリーは体調不良で学校を休んだ。それと同時だ。


街で夜になると住人が大きなネコに襲われるという怪奇な出来事が起きたのは。





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