第2話 まったく不便な制限だ
「遅いわよ、アルバス!」
待っていたのは赤毛の少女。
名前は、マチ・ハンター。物心つく頃からの幼馴染だ。
顔は整っており、スタイルもいい。
魔女としての才能も俺の目から見てもいいモノがある。
それもその筈、マチの先祖は俺を倒した五人の魔女の内の一人だからだ。
炎を扱うことに長けた魔術師だった。そして、あの女の子孫であるマチも炎を扱う事を得意としている。
「すまん、寝坊だ」
「あんたねぇ、魔力をコントロールできないと一生落ちこぼれ扱いされるわよ!せっかくいいモノ持ってるのに勿体ない」
「いいモノ?お前、いつの間に俺の息子を見たんだ?」
「!!っこのセクハラ魔人!!」
マチが炎の玉を出した。俺もそれを盾魔法で防ぐ。
「今日は一段と激しく行くわよ!!覚悟しなさい!!」
「激しく?やっぱりお前はムッツリだな」
「!!!」
更に炎が激しくなる。
こいつをからかうのは楽しい。
そんな感じでお互い魔法を出し合っていたが、遂に俺の身体に異変が起きた。
「ぐっっ!!」
俺はその場でうずくまる。
「アルバス!!」
マチが不安そうに駆け寄る。
その時、俺の身体から蒸気が発した。
「やっぱり、中々コントロールできないもんだな」
俺の声は、高くなっている。
「いつ見ても面白い反応よね。あんたの身体ってどうなってるのよ」
「そんなの俺が知りたいよ」
蒸気が晴れて、その姿を現す。
「アルバス、あんたずっとその姿でいなさい」
「このショタコンめ」
そう、これこそがあのクソ神がつけた制限だ。
魔力を一定量使うと俺の姿5才児位の姿に変わってしまうのだ。
「たぁっ!!」
ポスッ
魔法を発動したものの身体が小さくなってしまったせいでその威力はお粗末なものだ。
それでもそれなりの魔法を発動しようとすればできるのだが、コントロールできずに暴発してしまう。
(おのれクソ神め、こんな制約つけやがって)
そして、この制約のせいで俺は魔法をコントロールできないと思われ学園一の落ちこぼれの称号を不覚にも得てしまっている。
だが、それでも得したことはある。
「もう!本当に可愛いわね!!アルバスのくせに生意気よ!!」
マチは、俺を抱き上げた。柔らかい二つのモノを身体全体で堪能する。
身体が小さくなって女の子からこうやって甘えられるのは最高だ。
(マチの奴、また大きくなってるな)
小さい手でさり気なく胸を揉む。こんな、イチャツキをしばらくやってると
「おいおい、随分かわいい姉ちゃんがいるじゃねえか」
「へへへ、確かにかなりの上玉だぜ」「やった後は売っちまうか?」
特に何も秀でてるところがなさそうな三人のチンピラがやってきた。
(ったく人がせっかく楽しんでる時に)
俺は心の中で舌打ちをした。
「あんた達、人攫いね。若い女性や子供を狙うなんて大した趣味ね」
「まあ、そう言うな。できるだけ高く売ってやるからさ」
ブチッ
マチから血管の切れる音が聞こえた。
「マチ、ここは俺にやらせろよ。理性が聞いてない今のお前がやれば人殺しの汚名を背負っちまう」
「でも、今の状態で魔法を使っても…」
「ま、これも修行さ」
俺は、三人の人攫いの前に立つ。
「何だ、このガキ舐めやがって!」「ガキには用がないんだよ!」「大人を軽く見た罰だ。こいつは殺っちまえ!!」
「”クラーケンの手“」
俺は、海の魔物であるクラーケンの触手を召喚した。だが、そのヌメヌメした吸盤の付いた触手は人攫いどもの所へは襲わなかった。
「ちょっ、だから…な、んで…わた、しがハッ♡ウウン♡」
この小さい身体で無理に魔法を使えばこの通り、制御はできない。
召喚した10本はあろう触手はマチの方へ向かい、裾の中へ入り込み手足に絡みついた。
そして、その感触は俺に伝わってる。素晴らしい魔法だ。
「すまん、この身体でまともに発動できるのがこの魔法なんだ」
「ウッ…ハッ♡、ハッ♡」
(しかし、相変わらずエロイな)
人攫いの三人はマチの姿に色々な意味で固まる。
俺はその隙に奴らの首を手刀で気絶させた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます