第86話 勉強ついでのちょー説明回!
目が覚める。
結局スキル『夜』を使って寝た。
理由は単純で、制限時間が決まっているから、生活リズムを崩さなくて済むからだ。
一度は価値が無くなったかと思ったが、何が役に立つかは分からないものだ。
ラ「お、起きてきたか」
「ラーガ達はもう起きてたのか」
リ「冒険者の朝は結構早いんだぜ?」
ル「朝ご飯に遅れちゃうのはごめんだからね」
ラ「それじゃあゲートを開いてくれ。その後は自由ってことにしよう。クートは王城で知識常識身につけろ。分かったか?」
「お、おう」
俺がゲートを開き、異界からみんな出ていく。
ラ「街に入ったら解散だ。と、言ってもクートだけだと思うけどな」
リ「俺は娼館に行くぞ?」
ル「僕は食堂!」
ラ「…なら俺はルンドに着いて行こう。リックは金を使いすぎるなよ。クートはしっかり勉強しとけ。それと、明日の朝もギルド集合な」
「分かってるよ!」
森から街へと戻り、それぞれ別れる。
俺は一度街道から逸れ、更に脇道へと入る。人目が無いことを確認し、異界に入り王城付近の細道へと移動する。
「あ、あんた一体何処から…」
「ん?」
ホームレスらしき老人がこっちを見て驚いていた。
「あー、これで見なかったことにしてくれ」
「え?って、これは銀貨!?」
「頼むぞ?」
「は、はいでさぁ…」
ふぅ、びっくりした。あんなところに人が居るとは。今後は異界転移を使うときは細心の注意を払わないとな。
具体的にどうするか…、極小のゲートを移動したい場所の上空へ開いてそこから覗けば人の目があるか確認出来るかな。
今はこれで良いとして、城に戻ろう。
あ、門番が立ってる。雨の中でも休まない、というより休めないんだなぁ…。
「書類を」
「あ、はい」
雨の中でも平常運転だ。無事通してもらい、メイドさん等に図書館の場所を聞きながら移動する。教え通りの場所に着くと、少し大きめの扉の前に、二人の騎士が立っていた。
「ここが城内の図書館で合っていますか?」
「はい。あなたは…クート様ですね。どうぞお入りください」
「え?書類を見せないとダメなのでは?」
「もちろん必要ですが、城にお戻りになった際に門番から通達されていますので」
「はぁ、そうですか」
「はい。どうぞお入りください」
あの門番がそんなことをしていたとは…。いや、今はそれよりも常識を学ばないと!
早速中に…。
「クート様」
「え?あ、はい」
「知りたいことがあれば中に司書官が居りますので、お聞きください」
「はい。ご丁寧にどうも」
「いえ。それではどうぞ」
普通に良い人だった。少しビビったのが恥ずかしい。ま、それは置いといて。
中の司書さんに地理、一般常識、ギルド、魔物、スキル、ダンジョン、魔道具についての本の場所を聞く。
それを聞いた司書さんはあまりの量に苦笑してたが、机に持って行くことを手伝ってくれた。
感謝しかない。
『王国周辺地理』という本を見るに、俺の居る王国の周辺は結構危険な状況のようだ。
東西南北に国土が広がっている。
東に帝国『アルクラウン』との国境が。
西には迷宮都市への道があり、その先には獣王国『ビストリア』との国境。
南にはよく入っている広大な森『シスアナ大森林』。
そして北には魔王国『ホーゼンプ』との国境がある。
今1番戦争になりそうな国が魔王国だが、その他の周辺国も仮想敵国になるらしい。
今は表立った動きはないようだが、元々帝国は周辺国を侵略し大きくなった侵略国家らしいし、獣王国は元来の闘争本能が高いせいか、獣王の性格のせいかは分からないが強い相手と見ればすぐに喧嘩を吹っ掛けてくるらしい。
一度獣王が皇帝に喧嘩を売って戦争になりかけたらしいが、殺すつもり等は無くつい衝動的に吹っ掛けたらしい。
らしい、が多いが全て事実のようだ。
因みに世界地図のような物はなかった。いや、正確には大陸地図というものがあるらしいのだが、軍事機密扱いらしい。
次は一般常識だが、通貨や文字等が多かった。
本当に常識を知らない人が確認するためのようだ。
ただ俺も知らなかったことが普通の平民の暮らしでは銀板1枚で1月、1年で銀板12枚あれば過ごせるらしい。
そして1年は12ヶ月、360日と知れた。
1月が30日、1週間は6日、陽土木火金水の曜日のようなものがあるようだ。
それとステータスの意味だが、しっかりと合っていたらしい。
oldは年齢。
Levelはレベル。
jobはjobスキル。
HPは生命力。0になると気絶する。
MPは魔力。0になると気分が悪くなる。
STMはスタミナや体力。これを上げるとほんの少し疲れにくくなったように感じる。
STRは全体的な攻撃力。上げても微々たる変化しか感じられない。
SPEは素早さ、というより回避力や動体視力。上げると少し思考速度が早くなったように感じる。
PROは防御力。だと思うが正直上げても変わった気がしない。
MSTRは魔法攻撃力。攻撃魔法と呼べるものが無いから実態は不明。
MPROは魔法防御力。だと思うが分からない。
LACは幸運を意味するものだと思うが効果は不明。ただ『怪奇術』に関係していると思われる。
STPはステータスポイント。ステータスに割り振れるポイントの表記。
SKILLはスキル。
USKILLはユニークスキル。
大体こんなものだ。
次はギルドだが、ギルドにも種類が色々あるらしい。その中でも有名なのが『冒険者ギルド』、『商人ギルド』、『職人ギルド』、『闇ギルド』があるらしい。
冒険者ギルドと商人ギルドは国から独立しており、国からの要請なんかも無視出来る力があるようだ。依頼という形であれば受け付けるらしいが。
次の職人ギルドだが、数あるギルドの総称だ。それぞれの職業に応じたギルドがあるらしい。そしてこれらは国からの支援を受けそれぞれの分野の職人の保護等が目的としてあるらしい。
ただ稀に支援をしている貴族との癒着問題が起こることがあるらしい。
そして闇ギルドだが、これは国が認めていない非合法ギルドの総称だ。有名どころに暗殺ギルドなんかがあるらしい。
ただ他にも違法行為をしていないヤクザやマフィア等もここに含まれるらしいから、一概に全てが悪とは言えないようだ。
そして特に俺の知りたかった冒険者ギルドの上位の、
この本が書かれた時には緋緋色金が9名、
緋緋色金の冒険者が、
『英雄剣』 『
『
『
暗黒白金が『致命の追い剥ぎ』 『
『剣鬼獣魔人』。
パーティは『
全員が化け物だが、獣王に喧嘩を売られた皇帝も同程度なのだろう。世界は広いな。
司書さんに聞いたところ、現在は緋緋色金が2人、暗黒白金が1人増えているらしい。
そして緋緋色金の冒険者はレベルが500を余裕で超えているらしい。先が遠すぎるな。
二つ名…少し羨ましく感じる。男の子だからな!
二つ名は冒険者ランク
俺に二つ名が付くとしたらどんなものがいいか…あ、やっぱり恥ずかしくなってきた。
次を読もう。
次は魔物の本、『魔物図鑑』だが、正直分厚すぎて読み切れる気がしないから流し見るとしよう。
魔物とモンスターの違いも書かれているが、ラーガに聞いたことと変わりないようだ。
だが知らない、聞いてないことも書いてあった。
魔物はダンジョンと同じようにランク付けされているようだ。S〜Gの8段階。
ゴブリンやエアリアルはGランク。
ホブゴブリンやオークがFランクらしい。
Bランクからドラゴンが入るという。AやSランクとはどれほどのバケモノなのか、考えるだけで恐ろしいな。
次はスキルについてだが、スキルの習得方法は幾つかあるようだ。
一つ、動作等の反復練習による習得。これは才能が無くとも時間を掛ければ習得することが可能のようだ。
ただし才能があれば数時間で習得することもあるらしい。
二つ、スキルオーブによる習得。これが1番楽で早いらしい。
だがデメリットも多少あるらしい。スキルの習得には限界が無いらしく、
過去、スキルオーブを買い漁ってスキルを習得しまくった人物が居たようだが、スキルとスキルが邪魔をし使用が不可能になり、スキルの副作用で元の性格を見失い、最終的には植物人間となったらしい。
俺はスキル『正解』のお陰で取捨選択が出来るからそのような事にはなっていないが、最初に作ってなかった事を想像すると背筋が凍りそうだ。
三つ、
これ1つに白金貨が
大きな街の教会や冒険者ギルドに置いてあるらしい。冒険者になるときに普通は戦闘職を得るために奥の部屋に連れていかれるはずなのだが、俺、行ってないなぁ…。
明日にでも行くかな?
まあそれは置いといて、スキルに関してはこんなものかな。
次はダンジョンだが、ラーガに聞いたことが多かった。だがもちろんのこと、知らない話も多かった。
ダンジョンは3つの形態があるらしい。
1つ目が洞窟型。その名の通り、いきなり地面に穴が開いたかのように誕生するらしい。
1番数が確認されている形のようだ。
ランクは上から下まで様々あるらしい。
中の壁はどんな魔法でも壊せず、外から掘っても壁に届くことは無いとか。中はダンジョンの力で異空間として広がっていると考察されているらしい。
2つ目が登頂型。これは1つ目の洞窟型が下に潜っていくことと違い、塔のようなダンジョンを登る形らしい。
数は少ないが、それでも複数確認されているようだ。
ランクはB〜Dと、比較的難易度が高めらしい。
洞窟型と同じく壁は壊せず、中は見た目より広いらしい。
そして最後の3つ目が領域型。これは格が違うらしく、数は数個しか発見されていないらしい。
ただし、その全てがランクSとなっているらしい。その1番の理由は侵食性にある。
領域型の1つを例に出すと、『
基本は洞窟型に行くことになるだろうが、いつかは領域型に行ってみたいと思ってしまうのは男の
最後に魔道具についてだが、魔道具は人が作る物とダンジョンから出る物の2つに分けられるらしい。
人が作る魔道具は基本ダンジョン産の劣化コピーな事から比較的安いらしい。それでも希少だが。
そしてダンジョン産だが、物によってこれもランクが定められているらしい。
例)身体能力強化のポーション等
例)バーナーのように火を出せる魔道具等
例)魔力水筒等
例)腕力の腕輪等
例)アイテムバック等
例)核魔術書等
例)世界超越召喚魔術陣等
例)血吸の短剣等
※『 例) 』の部分は主人公は知りません。
「これで基本的な常識は知れたかな?」
「まだ少ないと思いますが…」
「あ、司書さん。色々手伝ってもらってありがとうございます」
「いえ、私の仕事ですので」
俺は図書館から出て夕食を取り、自室へと戻った。結構な時間が経っていたらしい。
そして、俺は異界へと帰った。
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ステータスについての追記ですが、力や防御力に関係するものは数値が高いから強いというわけではありません。
STR50の筋骨隆々の男性とSTR200のヒョロガリが腕力で勝負した場合の勝敗は?
答えは筋骨隆々の男性の勝利。
例えですが、筋骨隆々の腕力を数値化したときに100、ヒョロを50とします。その数値にステータスを当てると筋肉が105、ヒョロが60程度の補正です。
ステータスは元の肉体数値に倍率を設ける要素みたいな感じですかね。
それらをご了承の上今作品をお楽しみください。
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