第4話 クレブス、訛りがとれる。
「俺は公爵家の長男のクレブスです」
「はい、よくできました。よく頑張りましたね(私が)」
クレブスは得意満面。
「父上、講師の方から訛りがとれたと太鼓判をいただきました」
「うむ、その他の教養の方はどうだ?」
「どの知識も知らない事ばかりで、大変興味深く思います」
「常識的な事は覚えたのか?」
「それはまだ講師の方から太鼓判を頂いていません」
「マナーはどうだ?」
「そちらも不十分かと思います。もっと上品で格式があったほうが公爵家らしいと思います」
「うむ。そうだ!社交で必要となるダンスの練習はしているのか?」
「ダンス?全くしていません。社交で必須ならば練習しなければなりませんね」
「講師の手配を早速しておこう。ちょっと見ないうちになんだか立派になったなぁ」
「大げさですよ(笑)」
クレブスは自室に戻った。
「はぁ、この言葉遣いは疲れるべ~」
クレブスもオン・オフがあった。
「見―ちゃった!」
「姉上!」
まさか姉上に見られるとは!?
「姉上!部屋に入る時はノックを!マナーで習いました!」
「へぇ、最近言葉遣いもよくなって王都っぽくなってたけど、やっぱ一人の時はそんななのかぁ」
(こんなんじゃあ、この言葉遣いを容認できるような相手じゃないと結婚できないわね)
「姉上、このことは内密に!!」
「ええ、父上にも母上にも、誰にも言わないわよ。公爵家の醜聞になるようなことは自らしないわよ!」
「あ、そうだ!社交ではダンスが必須だそうで。どのようなものですか?」
「うーん、見たほうが早いんだけどなぁ。音楽に合わせて踊るんだけど、男女のペアで」
「田舎の盆踊りみたいなものか?」
「全く違うわよ!優雅さが!!そもそも盆踊りというのが私は知らないけど」
「そっかぁ、優雅なんだな」
「講師の先生に教えてもらいなさい!」
翌日からダンスもクレブスは覚えることとなった。
持ち前の運動神経で簡単にマスターしたのだった。
「免許皆伝だ」
「ありがとうございます」
(姿勢・言葉遣い・ダンスはOK。後は教養とマナーだな俺がマスターすればいいものは)
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