救星天使人~宇宙をめぐる騎士物語~

仲沢喜祐

プロローグ

 星暦2695年、第六次星団戦争が終結。


 戦争はみな一様に悲惨である。あまたの命が失われ、いくつもの星が姿を消した。

 二度と繰り返さぬようにと政府主導のもと星団全域で厳格な身分制度が設けれる。政治、文化や思想の主導権を握るのは知的で精神的に優れているとされる宇宙人。


 戦争の原因となった地球人の身分は、最低階級に位置づけられた。彼らに人権は与えられない。生殺与奪の権は階級の上のものにゆだねられている。

 居住地や文化、命さえも一方的に奪われてきた。できることといえばただひたすらの逃避。


 彼らは各星々へと離散した。

 危険のない理想郷を求めて、虚空の海を船で駆ける。


 なにかに導かれるように。

 永い時間ときをかけて。


 ――そして、二千年のときが流れる。

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