お前も転生者かよ!

ふかみ

第1話 異世界転生は突然に

 目が覚めると固いベットの上だった。


 「ここは...どこだ?」


 周りを見渡すと童話に出てきそうな暖炉がある部屋だった。たしかさっきまで学校で授業を受けてた気がするんだけどな。っていっても授業が面白くなさすぎて寝てたんだよな。それが起きてみると全然違う世界だった。


「とりあえずここをでるか。」


 そう思い立ち上がると自分の身長がやけに小さい気がした。確認する手段がない以上気にしていてもしょうがないと思い、部屋を出ようとすると勢いよくドアが開いた。


「お兄ちゃん!大丈夫!?」

「えーと...おにい...ちゃん?」


 そこに立っていたのは栗色の髪をした小さな女の子だった。中学生くらいだろうか。その割には髪の毛の色は栗色だし、目は緑色だし日本人じゃないみたいだ。俺の妹はもっとこう、なんていうかもっと日本人みたいな感じ。黒髪で茶色い目をしてて、年齢は高校1年生だから15歳でそろそろ16になることかな。そんなことは置いといて、今は目の前の現状を理解するための一手を指した。


「君は...誰?」


 俺はそう呟くと目の前の少女は目に涙を浮かべた。あれ、俺なんかやらかしたか!?


「お母さん!お兄ちゃんがおかしくなっちゃった!!」


 女の子が急に叫んだかと思ったら彼女は走ってどこかへ行ってしまった。彼女には悪いことをしてしまったと思いながら彼女の後を追うことにした。


 一体ここはどこであの子は誰なんだろうと思いながら廊下を通って彼女が降りていった階段を下る。するとそこには食事の準備をする女性と喚いているさっきの女の子。女性の見た目からしてあの女の子のお母さんなのだろう。ご飯の準備中のようで机の上にはパンとスープが並べられていた。


「あらアレン、体調は大丈夫なの?」


 アレンとは誰なのだろう。なんて考えずにそろそろ現状を考えてみようと思った。まず、目が覚めると知らない部屋にいた。その時点で自分が学校ではないところにいることを理解した。つぎに知らない女の子と女性だ。彼女たちの言動などから俺はこの家の息子なのだろう。などと考えているうちに自分は知らないうちに異世界にきてしまったのだと理解してしまったのだ。まあ異世界転生なんてよくある話だろう。それくらいでは俺は驚かないぞ。いや驚くに決まってんだろ!


「ひゃっほー!」


 しばらく黙っていたのち、急に変な喜び方をしてしまったので俺の母らしい人はすこし驚いていたがすぐに元に戻った。


「アレン、元気なら一緒にご飯の準備してくれるかしら?」

「もちろん、母さん」


 そう告げると俺は一緒にご飯の準備を始めた。

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