陰キャの私が傾国の美女となって歴史を変えてしまった話

ひろまる

第1話 タイムスリップ


「おい。奴隷。メソメソ泣いてんじゃねえよ。」

「私たちの奴隷なんだから言うことだけ聞いてればいいの。」

「ばーか。」


 私は橋本美咲です…。

 明日人生に終わりを告げようと思います。


 私は生きていても意味のない人間なのです。

 クラスメイトからはいじめられて親は私の言うことなんか何も聞いてくれない。


 私は常に1人ぼっちで、誰からも必要とされてない。


 毎日毎日、クラスの一軍女子の奴隷として扱われ続けるのももう耐えられません。


 私がいじめられる対象になったのは半年ほど前のことでした。

 私は絵を描くのが好きで教室でもずっと絵を描いていました。


 そして恋もしていました。


 クラスで優しく接してくれる男の子がいたんです。

 その子と仲良くなっていくたびに、クラスの一軍女子の私のヘイトは溜まりに溜まっていったのです。


 彼はなかなかの顔で、いろんな人から人気がありました。


 彼と初めてのデートをした次の日。事件は起きました。

 私の大切な絵を描く道具が全て捨てられていました。


 すぐにゴミ箱から拾ったのですが、何本かは無くなっていました。


 そして私がゴミ箱を漁っている写真が全校に出回った…。

 これが全ての始まりでした。


 最初は間接的なものでしたが、今では直接暴力を受けることもあります。


 親や先生に話しても聞いてくれません。


 私は誰にも相手にされないほどこの世に要らない人間なのです。


 もう…。終わりにしましょう。


 私は最後の睡眠につきました。


 今までで楽しかった思い出だけが夢に出てきました。

 最後の夜だけ都合の良い。


 昨日までは悪夢にうなされていたんですけどね…。


 そして翌日。

 親には怪しまれないように普通に学校に行きます。


 クラスに入ればもちろん私の机はありません。

 何回もされたことなので隠されている場所は知っています。

 一階の倉庫に隠されることがほとんどなので一階から三階まで持って上がります。

 これのおかげで多少は鍛えられたかもしれないです。


 墨汁で私の作品を汚されることにも慣れました。


 頭から墨汁をかけられたこともあります。


 でもこれも最後だと思うと頑張ろうって思うことが出来ました。


 そして家に帰って最後の晩餐を食べて、日課の散歩に出る。

 これで私の人生は終わりを迎えます。


 マンションの屋上に着くとかなり足がすくみましたが、今の私に怖いものはありません。


 さよなら…。この世…。

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