第47話 我が身

海辺の砂が、少し盛りあがっている。


ニケさんが近づいてみると、ギリシア語でサモと書いてある。よく読めるように砂を、指でなでてどかした。すると、サモトラケのニケと書いてあった。


ニケさん(…私の名前?)


あや「ん?何かあった?」


箱を指さしながら脳内に言った

ニケさん(…ここに、私の名前が書いてある箱があるのよ、なにかしら?)


ニケさんに近づいて箱の表を見てみる

あや「…んー?俺にはなんて、書いてあるかわかんないけど、ニケさんに読めるなら、ニケさんのものなのかもしれないね。ちょっと開けてみたら?」



ニケさんは、おもむろに箱に手をかけ、開けてみる事にした。

すると、箱の中から真っ白いショートヘアに、綺麗なグレーの目をした、女性の生首がでてきた。


もう見ることなんて出来ないと、思っていたわたしの生首だ。何だあんがい近くあったのね。おかえり。


それから、ニケさんは、自分の生首をカゴに入れて、色んな海を見に行く旅にでた。

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