054 梅酒と言えば

入梅の頃になると思い出す昔話がある。


この時期に産まれた私と二十年後一緒に飲むつもりで、父は梅酒を漬け始めた。

最初は独自性を重視して台無しにし、基本の重要性に気付き、そこから改良を加え始めた、と。

「お父さん、美味しい梅酒、ありがとう」


今では世界から注文を受ける大企業となった。

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