トレーニング中に半身不随になった主人の親友。車椅子ラグビーで選手復帰を目指す①
「キャタピラー!! 歩けるようになったか!?」
「
Sは久しぶりに
「初めまして、ぽんずと言います。主人が失礼な事を言ってしまい申し訳ありません」
「全然、大丈夫です!
私の心配をよそに、Sは白い歯を見せてニコニコと笑ってくれた。Sの話を聞くと下半身付随になってから、多くの友人達が気を遣っているのか、よそよそしい態度で接してくるようになったらしい。
Sがそういう事をされるのが嫌だとなんとなく察しているのか、
「あ! ごめん、ちょっとトイレ行ってくるわ! 尿意やら便意を感じへんから、定期的に行かな大変な事になるねん……」
Sがゴニョゴニョと文句を言いながら席を外した後、「ちょっと! いくら親しい友達でもキャタピラって呼ぶのはやめときや!」と慌てて注意した。
だが、
「俺がSの事をキャタピラ呼びするのはな、アイツが今にも歩き出しそうな気がするからやねん。だって、未だにSが下半身付随なんて信じられへんし、俺を嵌める為にわざと車椅子乗ってるような気がしてならんのよなぁ……」
恐らく、この二人にしか分からないモノがあるのだろう。
それ以上の事は何も言わなかったが、Sがトイレから戻ってきた後、
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