高難易度の異世界でも極限まで自重せず強くなり続けたら魔王倒せます!~ゲーム少年は一切の妥協をせず、ただひたすらにレベルを上げていきます

希望D

第1話 留年しちゃいました

「ふぁーまたかー」


郵便で届いた書類を見て、とうとう来たか、と思う。

今年で20、大学1年を2度経験することになる俺、影山亮太かげやまりょうたは再び、ゲームを待機状態にしてあるPCへと向かい、チャットを開く。


「すまんすまん、荷物が届いてた」

「ったく、イベントもうすぐ始まるんだぞ。しっかりしろよ」

「わりぃわりぃ」


俺が今やっているゲーム「インビジブル・エネミー」というゲームは全世界で約3億人がプレイしている超人気ゲームだ。

そしてそのゲームももうすぐイベントがやってくる。このゲームの数あるイベントの中でも1年に一回限りの、大型イベント……だ。


ゲーム内容はアクションRPGゲームなのだが、なにせプレイヤーが3億人とかなり多いので、きっとこの周年イベントはいつもと違い過激さを増すだろう。


「さあて、じゃあ周回やってくかー」

「おおっ、亮太。その意気だな」


紹介が遅れたが、こいつはカゲ。ただそれしか分からない。

性別もこいつはチャットでしか会話しないので分からない。

でも分かることは俺と同じ大学1年の留年生ってこと。


「話変わるけど、カゲは最近大学どうなのか?」

「……俺も今年留年が確定した」

「まじかwそりゃお疲れ様だな」

「それは亮太も同じだろ?」

「ま、まあな」


こんな風にこいつも俺と同じでロクに学校も行かず留年しちまったやつ。

まあチャットに「俺」って打ってるから高確率で男だろうがな。


● 〇 ● 〇 ● 〇 


その夜……


「さ、イベントもうすぐだし配信するかー」


一応大学の学費はゲーム実況でなんとか稼げてる。

まあ動画の編集とかする時間がゲーマーの俺からすれば勿体ないんだが。

最も、編集の手間があまりかからないライブ配信はとても楽だ。


「どうも皆さんこんばんは。本日はのイベントということで、ライブ配信やっていきたいと思います」


同時接続は2000人。今回はイベントがあるからか、普段より多い気がする。

大学入学と同時に始めたこのゲーム実況もそこそこ有名になってきて、今ではフォロワー20万人を到達している。


インエネのゲーム内にはカウントダンらしき表示が3日前ほどからあり、

とうとうその時間も残り10秒を切ったところである。


「5、4、3、2、1、0……」


するとその瞬間、俺はモニターの光の中に吸い込まれていった。





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