第12話 手紙

1週間が経過した。


突然インターホンの音が部屋中に響く。


「はいは〜い」


ハンマードがドアを開けると、なんとウォッシュがいた。


↓ハンマード

「あ、電化製品エレキヘリテージの人じゃね?どうしt」


「あなたたち、人の心とか無いんすか…」

↑ウォッシュ


「ん、どうかしたん?」


「セレナさんを水疱瘡にさせたんですけど…1週間後に必ず精神崩壊し消滅するから、元に戻して欲しければ それまでに僕の所へ僕の好きなものを持って来てと言いましたよね?

それでもう1週間経過しちゃってるんですけど、あなたたちって仲間とか見捨てる系の人ですか?」


「いや、セレナは消滅してないぞ?」


「え?」


ハンマードはセレナを呼ぶ。


すると部屋の奥から彼女が出てきた。


「あ、ウォッシュさんじゃないですか。お久しぶりです」

↑セレナ


「ハァァァァァァァァァ?な、なんで消滅していないんですか?

あの水疱瘡アタックが無意味じゃないですか!」


「モコローさんに治してもらいました。あの人、すごい頭良いんですよ」


「モコロー…ってあのモコローさん⁉︎

やっと会えるんですかね?」


「いや、今はカニ漁に行ってるんで会えないっすw」

「え、カニ…漁?」


「借金を返済するためですよ」

「そ、そうすか…」


「で、何か用でも?」

「帰ります」


ウォッシュが呆れて部屋を出ようとした時、突然現れたロックが彼のホースを掴んだ。


「え、ロックさん?何をするんですか」


「俺、お前に勝つ方法を思いついたんだよね」

「それが…それですか」


「あぁ、そうだ。

水疱瘡アタックをさせないために、水疱瘡アタックをするためのホースを破壊すりゃ良いってな!」


「え…」

「ハンマード、お前の自慢のハンマーでホースを破壊しろ!」


ロックの掛け声に合わせてハンマードがジャンプし、思いっきりハンマーを振るう。


「おりゃァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」


ズドォォォォォォォォォン


寸前に彼は天井に頭をぶつけた。


「「「は?」」」


「いてェェェェェェェェェェェェッ」


「何やってんだハンマードお前ぇぇぇぇぇぇ!」

「本当に何やってんすかハンマード…」


↓ハンマード

「クソッ、ここが室内だったのを忘れていたぜ…」


ハンマードが衝撃でハンマーを持つ手を離したため、ハンマーがウォッシュの頭に向かって落ちる。


彼は泡を使ってハンマーを包み込み、無効化しようとした。




その時。


「君たち、少し良いか」


部屋の外の廊下からギョシーの声が聞こえてきた。


「あんたは確か、オンネンネンの時にいた奴じゃないか」

↑ハンマード


↓ギョシー

「そう。それで君とモコローに用があってね。

オンネンネンの逮捕にまぁまぁ貢献したという事で、これは僅かだが心ばかりの お礼だ」


ギョシーはハンマードの掌に お札を乗せる。

ロックが何円か確認してみた。


「(おぉ、一万円!)

こちらこそ、この街のスーパーを破壊してしまい申し訳ありません。2人には あとでキツく叱っておきますので…」


「構わん。私たちにも責任があるので君らは特に借金をしなくても良いし働いて返さなくても良い」


「マジすか…ありがとうございます」


「あと、オンネンネンから手紙を預かった。読んであげてくれ」


ギョシーからロックに手紙が渡される。

しっかりとした封筒で、反省してそうであった。


ビリビリ


彼は封筒を開けてハンマード、セレナと共に読み始めた。


「えっと何…この度は強盗をしてしまい、すみませんでした。

僕は仕事はできる方なんですけど(笑)刺激の無い毎日に退屈していまして、それからは1日1回強盗の計画を立てるのが日課になったんですよ。

別の国にいた時は銀行強盗を企てたりもしましたが、この国はスーパーしか無いという金融きんゆう機関きかん皆無かいむ都市としだから、まぁ警備は銀行ほど整ってないだろ(笑)って思って行為に及びました。

僕は仕事ができる方(笑)なので解雇されずに済みましたが、これが普通の一般人なら間違いなく解雇されて社会不適合者になっていた事でしょう。

仕事ができる側で良かったです。ありがとうございました」


ロックが手紙をズタズタに引き裂く。


「なんか、すごくムカつきましたね」

↑セレナ


↓ハンマード

「うーんこの…」


「言っとくけど お前らと そんな大差無いぞ?」

↑ロック


↓ギョシー

「これで成仏されると良いな、オンネンネンは」




ウォッシュが空気を呼んで、宿を出ようと彼らの後ろを通り始めた。

ついでにロックへ ねが烏帽子を渡す。


「じゃあ僕は この辺で。それと君ら、烏帽子を探しているんだろ?あげるよ」


「おぉ、ありがとう。

じゃあこの街に用は もう無いよな。モコローとナルが帰ってきたら次の電化製品エレキヘリテージの場所へ行くぞ お前ら」


「「はぁぁい」」














その頃、ナルはモコローがカニ漁から帰ってくるのを街の港で待っていた。


「(まだ来ないかなー…)」



「おおおおおおおおおおい!」


海の向こうから、船に乗ったモコローが見える。

手を振っているが顔は魚のようで、もはや別人であった。

精神が壊れている証拠だ。


↓ナル

「(あいつ精神的にヤバくなってそう…)」


「ナルーー!ただいま〜〜!」


「お、おかえり。お茶でも飲むか?」



「アイスキャンディーが良い」

「調子に乗るな」

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