第2話

「これより適正試験を行う」


そうアナウンスされ通された場所には真ん中に固定装置があるだけの簡素な部屋だった


「拘束された後獣因子を注入する…気絶する場合や、激痛を伴うことがある。最悪ここが自分の最後だと思え」


そう言われ拘束され、腕に注射をされた…5秒ぐらいの短い時間が過ぎた途端体が飛び跳ねる、肉体に走る激痛と共に体の一部が盛り上がっていくのを感じれる…



獣因子を注入されたものは体に獣の一部が現れるらしい…それは人によっては耳だったり、尻尾だったり腕が変形したりと様々な変化がある



そんな中俺の体は足が変化していくのを感じると共に腕も変化していくのを感じれる…


頭には変化はなさそうだが口の中が牙の様な物を感じれる。痛みの中で感じれる己の変化には戸惑いがあるのだがこれで1人の獣狩りへとなれるのだから頑張って耐えるしかないのだ


痛みが引けたぐらいで


「おめでとうこれで君はアルテミスに入ることが出来る、次の試験までに体を動かしておけ」



そう言われて体を動かす前に自分が何の獣の因子を植えられたのかを見るがイマイチわからないのだ


足は兎の様だが腕は鋭い爪がある為違うと分かるがまぁ、自分が知らないだけでそう言う獣もいるということだろう


その場で跳ねてみると1mは余裕で跳べたり走ってみると人間だった頃に比べて明らかに早くなっているのを感じれた


鋭い爪があったがニュッとしまえたので便利だと思ったがそれでも少しだけ飛び出ているので獣ってこんな感じなんだなと思ったりもした


「それでは次の試験は戦闘訓練だ、仮想敵を用意するので武器はそこからとって準備ができたら手を上げろ」


そう言われ目の前の武器を見ると剣や銃、斧に槍などといった基本武器があるのにも関わらず色物といっても差し支えのない武器もある。


例えば、鎌だったり、バールや巨大なピザカッター…そして何より気になったのは手袋だった


手袋を手に取ると質感が金属っぽく触り心地もいい、試しにつけてみると意外と合うのだ…爪を出してみると手袋の先にはしっかりと爪の出る場所にもスペースがありしっかりと武装として使えるのだ



まぁ、これでも良いが多分併用として使う物だと思ったので武器は手袋と無難に剣にしておく。武器も選び終わった為手を挙げる



「それでは訓練開始」


そういうと目の前に一体の獣が現れる…姿は狼型であり攻撃手段は噛みつき、引っ掻きなどといった基本攻撃しかしてこないだろうと思い剣を構えて相手の出方を伺う



狼はこちらに向かって走り飛びかかってくるのでその攻撃に合わせ、剣で狼の下に行きおもいっきり振り抜くと少し抵抗があるが傷をつけることが出来た


思いの外硬く戦いづらいと思ったがすぐさま追撃を入れる為振り抜いた場所から飛び退き一閃を加える


獣はそんなことを無視して噛みつきをしてこようとしたのでカウンターとして剣先を使い顎下から叩き上げると狼は動かなくなった



「試験は終了だ…武器は剣と手袋で間違いないな?武器を作っておく為任務はまだだがこれからはアルテミスとしての仲間として歓迎しよう」



そうして俺の試験が終わり、獣狩りとしての一歩を踏み出したのだ

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