第四章: 心の花びら
夏が本格的に始まると、学校の周りの景色も一変し、緑がさらに濃くなった。美咲、亜紀、秀太の三人は、夏休みを迎える前の忙しい日々を過ごしていた。
美咲は秀太への気持ちを自覚してから、少し緊張してしまうことが増えた。でも、秀太と一緒にいると心が落ち着くので、彼との時間を大切にしていた。
ある日、美咲は秀太に誘われて、学校の近くの図書館に行った。二人は隣同士で本を読んでいると、不意に秀太が話しかけてきた。
「美咲、この前の文化祭、すごく楽しかったよ。」
秀太の言葉に、美咲はうれしくなった。
「うん、私も。秀太くんと一緒に準備できてよかった。」
美咲の言葉に、秀太は嬉しそうに笑った。
その頃、亜紀は大輔との関係が少しずつ変わり始めていた。バスケ部の練習後、二人で話す機会が増え、亜紀は大輔の優しさや面白さにますます引かれていった。
夏休みが始まり、美咲と秀太はよく一緒に図書館で過ごすようになった。ある日、秀太が美咲に一冊の本を渡した。
「これ、僕が最近読んで面白かった本なんだ。美咲も読んでみてほしい。」
美咲は秀太からのプレゼントに心が温かくなった。本の中には、秀太が書いたメモが挟まれていた。それは、美咲への感謝と優しさが詰まった言葉だった。
一方、亜紀は大輔と一緒にバスケの練習をする機会が増え、二人の距離は徐々に縮まっていった。亜紀は大輔に対する自分の気持ちを確かめるように、彼との時間を大切にしていた。
夏休みも後半になると、美咲と亜紀はお互いに初恋の話をするようになった。美咲は秀太への気持ちを、亜紀は大輔への想いを、それぞれ打ち明け合った。
「美咲、秀太くんのこと、好きなんだね。」
亜紀の言葉に、美咲は顔を赤らめながらうなずいた。
「うん、でも、なかなか言えなくて…」
「大丈夫、美咲ならきっと伝えられるよ。私も大輔先輩にちゃんと気持ちを伝えたいな。」
亜紀の励ましに、美咲は心強く感じた。二人はお互いを支え合いながら、初恋の一歩を踏み出そうと決意した。
夏休みの終わりが近づく中、美咲と亜紀の心の花びらは、それぞれの想いとともにゆっくりと開いていった。
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