春も終わりに近づき、夏の訪れを感じさせる暖かい風が吹き始めた。美咲、亜紀、秀太の三人は、学校生活を満喫していた。

ある放課後、美咲は秀太と一緒に図書室で過ごしていた。秀太がおすすめしてくれた本を読んでいると、美咲はふと秀太の顔を見た。彼の真剣な表情に、美咲の心は少しだけドキッとした。

（なんだろう、この感じは…）

美咲は自分の心の動揺を抑えようとしたが、秀太の存在がだんだんと特別なものに感じられてきた。それは、友達以上の何か、新しい感情の芽生えだった。

一方、亜紀はバスケットボール部の活動に熱中していたが、ある日、部活の先輩である大輔に声をかけられた。

「亜紀、お前のプレイ、最近すごく良くなってるな。」

大輔の言葉に、亜紀は嬉しくなった。大輔はバスケ部のエースで、亜紀にとって憧れの存在だった。

「ありがとう、大輔先輩！もっと上手くなれるように頑張ります！」

亜紀の目には、バスケットボールへの情熱と、大輔へのあこがれが溢れていた。

夏が近づくにつれて、美咲と亜紀の心には、それぞれの初恋の感情が芽生え始めていた。美咲は秀太への思いを、亜紀は大輔への憧れを、それぞれ胸に秘めていた。

学校の文化祭の準備が始まり、三人はクラスの出し物で一緒に働くことになった。美咲と秀太は、クラスの展示ブースのデザインを担当し、亜紀はステージイベントの企画に参加した。

文化祭の日、美咲と秀太は展示ブースで忙しく働いていた。秀太が美咲に手渡したポスターが風で飛ばされそうになると、二人は同時に手を伸ばし、手が触れ合った。その瞬間、美咲の心は強く揺れ動いた。

（秀太くんの手、温かい…）

美咲は顔を赤らめながら、すぐに手を引っ込めた。秀太も少し照れくさそうに笑った。

亜紀はステージでバスケットボールのデモンストレーションを行っていた。大輔と一緒にプレイする中で、亜紀の心は高鳴っていた。

（大輔先輩と一緒にプレイできるなんて、夢みたい…）

文化祭が終わり、美咲と亜紀はそれぞれの初恋の思いを胸に秘めたまま、夏の訪れを迎えた。初恋の風景は、彼女たちの青春の一ページに、美しく刻まれていった。

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