集結

2日後 AM 10:30

ネバーホテル407号室。ポコポコの住まいとなっているこの部屋に、3人と1匹が集まった。ベッドに腰掛けるポコポコを、他の面々が囲むように立っている。



ポコポコ「ええメンツが集まったわ。毒殺キャバ嬢・キョウカ。元Navy SEALsネイビーシールズの幽霊・ダニエラ。世界最強の殺し屋幽霊・FOXフォックス。ここにはいないが、ゴーストティラノサウルス・Tティー。」


キョウカ「ストロベリーちゃんもいるわ」



キョウカは足元でお座りをしている土佐犬・ストロベリーの頭をでる。



ストロベリー「ワン!ワン!ワン!(僭越せんえつながら、頭数に入れてもらえると嬉しい!)


ポコポコ「せやったな。もしキョウカちゃんが狙われたら、しっかり守ってくれや、ストロベリー」


FOX「ポコポコよ、一つ聞くが、この人数で満足なのか?かつてお前は万単位の友達がいて、その頂点に立っていたのだろう?」


ポコポコ「今思えば、あれは友達ちゃうかった。ただ盛り上がってるところに集まって帰属欲求きぞくよっきゅうを満たしたいだけの、中身のないカスどもや。俺もアホで、ソイツらに持ち上げられて満足してた。でもそんな形だけの友達、何人いても意味あらへん。大切なのは、数は少なくてもええからお互いに信頼し合えるヤツと付き合うこと。そう気付いたんや」


ダニエラ「さすがはポコポコ様。この世の心理にたどり着いていらっしゃる」


キョウカ「ダニエラさんは、その中身のないカスどもと同じ思考回路をしてそうだけどね」



キョウカがダニエラを挑発する。眉間にシワを寄せ、キョウカを睨みつけるダニエラ。



ダニエラ「あらキョウカさん、ポコポコ様とちょっと付き合いが長いからって偉そうにしちゃって。アンタみたいな、金という樹液を目当てに近づいて来たメスカブトムシこそカスなんじゃないかしら?」


キョウカ「勘違いしないでもらえる?ポコポコくんのほうから私に『友達』になろうってオファーしてきたの。お金を出したのもポコポコくんの意思。アナタみたいに頭を下げて、お情けで仲間に入れてもらった『信者』とは格も信頼の強さも違うのよ」


ダニエラ「なんだとこの石の下のハサミムシがっ!」


ポコポコ「キミたちぃ〜、俺のことでケンカするのはやめたまえ〜」


FOX「満更でもないってツラしてるな」



ベッドから立ち上がるポコポコ



ポコポコ「キョウカちゃんは俺と一緒に行動しろ。FOXとダニエラちゃんは撃山うちやま、シゲミ、田代たしろの始末にかかれ。誰から狙ってもいい。手段も問わない。1人消すごとにボーナス5000万や」


ダニエラ「お待ちくださいポコポコ様!なぜ私ではなくこの女をおそばに置くのです!?」


ポコポコ「キョウカちゃんは戦闘経験が無いから前線に立たせるのはこくや。その点、ダニエラちゃんは戦いのプロやろ?適材適所ってのがある。それに、俺と離れて行動してもらうのは信頼してるからこそやで?信頼してないヤツから目を離すなんて、恐ろしゅうてできへんよ」



ダニエラは満面の笑みを浮かべる。



ダニエラ「そうでしたか!意図を汲み取れず申し訳ございません!このダニエラ、必ずや殺し屋どもを殲滅してみせましょう!」


FOX「おい、俺にも獲物を残しといてくれよ。ポコポコにこの部屋から出られるようにしてもらったんだ、久しぶりに伸び伸びと殺しをしたい」


ポコポコ「んじゃ頼むで」



ダニエラとFOXは部屋の壁をすり抜け、殺し屋たちの始末に向かった。



キョウカ「……今のポコポコくんの発言が本心なら、私は信頼されてないのかしら?信頼してるなら、離れて行動させるんでしょ?」


ポコポコ「んなわけないやん。キョウカちゃんは俺の『親友』や。たとえ『友達』を犠牲にしてでも『親友』は守る。常識やろ?」



<友達の輪-完->

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