新太平洋艦隊帰港セヨ

NY壊滅の報告を受けた米軍総司令部は大慌てであった。

まさか敵殲滅に向かったB29の編隊がNYに突入するとは?


もしかして魔王の仕業か・・・。

総司令部、並びにホワイトハウスは全ての作戦を停止せねば!!と大慌てである。


だが一度動き始めた歯車は止まるのが難しい。

既に戦闘中の軍に取っては更に至難。


撤退戦は難しいのだ。


そこで・・。


「全艦隊に告ぐ、我は戦艦ルーズベルト。

殿(しんがり)を務めるので我に構わず撤退セヨ。」


キングダムを喪失した事に続くが、何よりも生き残る事を優先させねば。

殿を務めるルーズベルトは巨体を盾に、全艦隊の盾となり撤退戦の盾となる事を決意。


他の艦ではヤマト型の盾にはなり得ない。


「構わず逃げろ。敵に追いつかれるぞ。」


空母もアイオワ型戦艦も無傷ではあるが、敵には叶わない。

キングダム轟沈で新太平洋艦隊は心を折られてしまったのだ。


キングダムの後を追うが如く、ルーズベルト号は敵艦隊に単艦で接近。

後先考えずに全速(27ノット)でヤマトに向かう。


「敵に一撃も食わせずに死んでたまるか!!」


ルーズベルト号はヤマトを目指す・・が・・・!


突如加速が止まり停止。


巨体過ぎて気付かなったが、スクリューを伊号潜水艦に破壊され、泊まったのだ。

止まった戦艦は的に過ぎないが、敵は史上最大の巨砲持ち。

動かんとは言え、強烈な牙を持つのだ。

対空砲も潤沢だが、ジェット機には追いつけず。


戦闘機は全機、ボンバー仕様でルーズベルトの左舷を狙い1t爆弾をマッハで投下。


止まってるので演習と同じだがせめてもの抵抗と巨砲を撃ちまくる。

甲板の兵士は銃座を放り出し艦内に退避。


バコバコ撃つがスクリュー喪失で艦体が安定しない。

逆に帝國の戦闘隊は大和型の艦砲射撃を存分に見学済なので、

結構慣れてるのだ。

怖いのは爆風と水柱。


なので低空を避け高高度からの水平爆撃で潰す。>ルーキーのみ。

ベテランは高速投下で当てて行く。


彼等はJAPに対抗する術は撃つしかない。


やがて巨象の最後が近づいて来る。

1t爆弾を食い過ぎて満腹になった巨象、ルーズベルト号は

大量の浸水で左舷に傾き、キングダム号と同じく横転。


巨砲の台座ごと抜け落ち巨弾が転がり・・・誘爆。


巨額の国費を投じて竣工したばかりの新鋭艦はJAPに一指も報いる事が

叶わず・・・轟沈。

投げ出された兵士は冷たい海に投げ出され凍死か水死。


何せ戦闘中なので日本軍は敵を追わねばならぬ。


見捨てる事を許せ!と、艦隊は逃走してる太平洋艦隊を追い続ける。


ルーズベルト号の轟沈は太平洋艦隊側も確認してた。


「・・・・あの巨艦が二隻とも轟沈するとは・・・。

JAPは化け物だ。」


艦隊はすっかり心を折られてしまった。

本国ではNYが壊滅したと言う。

もう戦争はイヤだ!!と思うのも当然だろう。

次席艦隊司令を務めるニミッツ提督は逃走を続ければ敵に追いつかれる。


幕僚と相談し、抵抗を止め白旗を掲げ全艦に停止を命じる。


「こちらアメリカ太平洋艦隊次席司令、ニミッツ中将。

ニホンテイコクに降伏を申し上げます。」

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