第2話チート持ち 帝國日本に降臨ス!

ウッス、ヤマダタロウ16歳。

魔王を倒し、無事日本に帰国した・・・と思ってたのだが・・。


「手を上げろ!!怪しいヤツめが!!」


物々しい軍人に包囲されてたのだ。

日本には珍しく軍艦??戦闘機??が一杯。

戦闘機は〇でしか見た事ない零戦。

戦艦は・・長門かな??


あるぇ??


ココ何処??


「すんません、ココ日本ですよね?」


「何を言う。我が帝國日本を知らぬのか!!」


珍しい旧式銃を俺に付きつけ軍人さんは大怒りです。


そこへ・・。


「ナニを騒いでおるか!!」


エラさんらしき軍人さん降臨。


アレは・・山本五十六大将では?


「すんません、自分はヤマダタロウと言います。山本五十六さんですか??」


「ウム、ワシは山本五十六だ。連合艦隊に赴任する途中だが、貴殿は何故この横須賀に居る??」


「ココは横須賀なんですね?」


「ウム、その通りだが・・。」


「山本五十六大将、自分は未来に帰る途中、飛ばされてココに降りたヤマダタロウと言います。

頭おかしいと言われそうですが、事実なので・・。」


俺は38式小銃を突き付けられた状態で窮状を彼に訴える。

そして未来のPC、スマホ、デジカメを見せその場で長門を撮影し、

簡易プリンターでPOして渡すと驚いてた。

そりゃこの時代、カラー撮影は欧米でも珍しい。

写真現像も膨大な暗室設備必須。


それがその場でPO!!


さすがの山本もその画像を見て驚く。


「コレはさすがに・・・。我が国の技術では作れない。

いや、欧米でもまだ不可能だろう。」


「閣下、ご理解頂き感謝します。立ち話もなんですし、出来れば会議室をお借りして。」


「ウム、横空の会議室が開いておる、ヤマダ殿・・か?

ワシに付いて参れ。」


「ハ!!宜しくお願いします。」


俺と山本閣下は車に乗り前後を護衛のサイドカーに囲まれ横須賀航空隊に入る。

未来では某国産自動車会社工場に変わってしまう我が国の最先端航空機実験場が横空だ。


横空に入ると早速会議室に案内される。

俺はプロジェクターとPCを接続しカーテンを降ろして貰い、未来に起こる大戦の全てを彼等に見せる。

言い忘れてたが、現在は1939年(昭和14年)8月30日。


そう山本が第26代連合艦隊司令長官に赴任する当日だったのだ。

まだ零戦も公式には完成してない時代。


間に合って良かった・・。


「閣下、今見せた映像は私が過ごした時代では過去。

つまりこれからこのままでは帝國は滅び、米軍の管理下監視の世界になります。

そして生贄として多くの国民、若者が捧げられてしまいます。

アメリカを怒らせるだけとなる真珠湾奇襲。

コレだけは絶対に止めて下さい。

俺は未来のガキですが、既に異世界で多くの闘いを経験してます。

そしてその褒美として多くの金塊を得て帰りました。

帝國に全てを渡しても良いのですが、どうせなら武器の強化。

そして未来の装備を戦闘機に加え欧米を撃退しませんか?

欧米諸国は帝國がどう譲歩しようが、敵対するのは避けられないです。

特に米ソは絶対に闘ってしまいます。」


「キミにナニが出来るのか?」


「閣下、自分はアイテムボックスと言う無限大の収容装備を個人で持ってます。

そして転移魔術で同じ時代なら何処でも転移可能です。

まあ行った事がある場所限定ですが。

不死では無いので撃たれれば死にますが。

金塊もかなりの量を持ってます。」


そう言ってアイテムボックスから100kg程度の金塊をDONと置く。


「この金塊はお土産です。山本閣下がご自由にお使い下さい。

そして今知ったのですが、未来の製品をアイテムボックスを通じて取り寄せ可能です。

まあ限度はありますが、無線機、バッテリー、プラグやコード。

電探も可能です。」


現代の通販がオイラのアイテムボックス限定だが金塊を元に

未来製品を取り寄せ出来るのだ。

優秀な技師にPCを与え設計の時間短縮。

戦闘機には簡易無線機、ドライブレコーダー、そしてプラグやコードも。


「有難いが、君はどうするのだ??」


「出来れば予科練に入れて下さい。

異世界で鍛えられたので多少のシゴキには耐える自信あります。

そして戦争の行方も指導可能です。」


「・・・ウム、それなら・・」


閣下の話では横須賀航空隊で練習機で練習させ、指揮官権限で任官させるそうだ。

霞ケ浦でシゴキにあっても時間の無駄。

出来れば山本の手元で色々と調達して欲しいと言う。


「分かりました。あと三菱、中島航空機の設計陣を呼ぶ事は可能ですか?」


「任せろ。キミは私の副官扱いで大尉に任じよう。」


16の小僧を大尉www

まあ当時の日本人は未来の中学生みたいな体格も多いので、

自分程度なら20歳には見れると言う。

まあ士官なら有難い。帝國大出身と偽り大尉で任官。

常時、山本五十六付きとしてコバンザメになり、スポンサーも兼ねる。


中島、三菱は合弁企業化して貰い、零戦の欠点を潰す戦闘機を開発して貰う。

ガソリンは入手するのが難しいが周辺パーツは未来の自動車製品部品がかなり流用可能。

特にタービンはトラック用がレシプロ戦闘機にピッタリ。

この時代の航空機エンジンは回しても3000回転。

トラックも同じ程度。

確か栄エンジンが14気筒だったな。

トラックのターボを二個追加すれば1000psが最低でも倍近くは無理でも、

1500psは可能になるハズ。

零戦は軽い機体に軽量エンジンで格闘戦の覇者となるが、後期にはパワーが足りず、

米軍のグラマンやコルセアにもコケにされた。

だが現在の時点で強化出来れば・・。

末期でも使える機に変貌するだろう。

燃費が悪化するのはドロップタンクを翼下に二個装備すれば足りる。

タンクは防弾ゴムと消火器を装備させて、コックピットも強化アクリルプラスチックに・・。


色々考えてその夜は充てられた横空の貴賓室で寝落ちするタロウであった。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る