第45話:あとはお二人で




ー♢ー♢ー♢ー通話中ー♢ー♢ー♢ー

『このエリアに降りるよ』

『おけ』

『うん』

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雪弥の合図とともにおれとmmが答える。


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『よし、誰もいないみたいだから装備揃えよう』

『そうだね』

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それぞれ武器を探しに散り、装備を揃えたところに1パーティが現れた。


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『おれ方に来てる』

『わかった!今行くね、ロキ』

『僕もすぐ近くにいる!』

『よし、まずは1パ倒したね』

『次行こうか、mm大丈夫?』

『え!?…あ、うん…大丈夫…』

『どうした?』

『…なんでもないよ、すぐ行くね』

『大丈夫ならよかった』

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なんかmmな様子変だったよな…。


この時mmは試合前のロキとのやりとりがまだ頭から抜けていなかった。


ー♢ー♢ー♢ー通話中ー♢ー♢ー♢ー


その後は遭遇する敵を倒しつつ順調に進み、あと4パーティまで生き残った。


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『エリア際での撃ち合いになるかもしれないから気をつけてね』

『わかった』

『りょうかい』

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指揮を取る雪弥に続く。


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『あ!きょ……じゃなくて、ロキくんそっちに2人行ったよ!』

『お、おう!』

『気をつけてロキ!』

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雪弥がゲームに集中しているためだろう、おれの名前をつい本名で呼びそうになったがmmも集中しているため気づきはしなかった。


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『ゆき……廃リバーそっちにもいるぞ!』

『うん、大丈夫だよ!』

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…おれも呼びそうになった。


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『よし、あと3パーティだけみたいだね』

『気抜かないでいこうね』

『廃リバーさん、そっちにいるよ!』

『うん!』

『くそっ…だめだ、やられた!2人とも逃げて』

『まじか、廃が先にやられるなんて』

『いくよロキ』

『うん、わかった』

『あと1だね…』

『うん、でもおれとmmだけでいけるかな…』

『大丈夫だよ!2人で最後まで頑張ろ!』

『そ、そうだな』

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もう負けてしまうだろ、と弱気になっていたところをmmに救われた。


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『この物陰に隠れながら戦おう』

『うん!』

『いた!』

『割ったよ!』

『おけ、1人やった』

『2人目もやったよ!』

『残り1人だね』

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3人を相手におれとmmは2人であと1人まで追い込んだ。


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『あそこにいるよ!』

『了解!』

『割ったよ!ロキ!』

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あと1人……。

マウスを握る手に汗をかく。


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『ロキ!あとミリだよ!』

『おう!』

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mmあと少し、というところまで追い込んだ敵を追い撃ち合いの末勝負の幕が下りた。


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『よっしゃあ!倒したー!!』

『すごい!すごいよロキ!』

『mmさんもすごかったよ!2人とも上手だった!』

『廃リバーさんが居なかったらここまで来れてなかったですよ!』

『そうだ、みんなで、3人でここまで来たんだよ!』

『ありがとう…!』

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その後も湧き上がる興奮を抑えきれずにいたおれ達3人は盛り上がりすぎて実況者や進行の声が耳に入らず賞金を受け取り損ねるところだった。



♦︎♢♦︎


表彰式後。


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『ありがとね、2人と大会に出られて本当によかったよ』

『ううん、私も廃リバーさんとロキと一緒に出場できてよかった!』

『おれも楽しかったよ、ありがと』

『また今度3人でゲームしようね、ほんとありがと。えーっと…僕はこれで!あとは2人で話してて!』

『え!?廃リバーさん!?』

『ちょ、どういう…』

〈廃リバーがログアウトしました〉

『…行っちゃったね』

『……うん』

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してたのに…せっかくmmのこと気にしないようにできてきたところだったのに…。


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『おれらも今日は落ちようか、疲れたでしょ?』

『……』

『…どうかした?』

『疲れてないって言ったらどうする?』

『え?どうするって……えーっと…』

『…うそだよ、うそうそ!』

『嘘…なの?』

『そ、そうだよ!おやすみなさいロキ』

『あ、うん。おやすみ』

〈mmさんがログアウトしました〉

ー♢ー♢ー♢ー通話中ー♢ー♢ー♢ー


…嘘かよ。



ーーーーー この大会までの期間を通じてロキとmm、いや嬌太郎と莉未は何かを感じたのかもしれない。




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