夜の悲鳴
赤木すみれ
第1話 学生寮で聞こえる悲鳴
私は今、中高一貫校に通っている女子高校生だ。
家は離れており、通学に時間がかかるため中学生の頃から寮で生活している。
この寮のルールを簡単に説明しよう。
中学生は決まりが厳しい。4人部屋で朝7時30分に起床。寝坊したら記録される。
高校生は1人部屋で朝7時に起床。勿論、高校生も寝坊したら記録される。
ラウンジというテレビがあるところに電子レンジが置いてある。
そこにはたくさんの注意書きがあり、お菓子作りは禁止されていた。
多分、バレンタイン対策だろう。
そして、寮の間取りだが、1号館、2号館、3号館、5号館と建物が並んでおり、1号館と5号館が女子寮である。1号館が一番広く、食堂や時々映画を見たりすることができる部屋がある。ちょうど上から見たらE字型になるようにたっている。
読者の皆さんはツッコミがあるだろう。
なぜ4号館はないのか。それは一部の管理職の先生以外誰も知らない。
諸説あるが、これは生徒が考えたただの仮説に過ぎず、信憑性は極めて低いだろう。
某日、1号館にある自室で勉強している時だった。時刻は21時45分ごろ。
「ぎゃあああああああああああ」
突然窓の外から誰かの叫び声が聞こえた。
私はどうせ男子寮生がふざけて叫んだのだろうと思った。
しかし、一回止まった叫び声はまた聞こえてきた。次は声が少し高い。
まだ声変わりしていない男子の声のように聞こえる。
「きゃああああああああああああ」
不思議に思って窓の外を見たが人影は見えず、空いている窓もなさそうだった。
勉強机に戻ると誰かがドアをノックした。
ドアを開けると隣の部屋の清瀬花乃がいた。
「どうした?」
「ねえねえ、さっきの悲鳴、聞こえた?」
「うん。」
幻聴だと疑っていた時に同じ声を聞いた人がいてよかったと
思った。
「あれ、誰の声?」
「いやいや、そんなの言われてもわからないよ。」
「だよねー。茉莉もわからないよね。なんか今日は寝れない気がする。」
「別に部屋に誰かが入ってくるわけじゃないから大丈夫じゃない?」
その時、窓の外から大きな声が聞こえた。
夜の悲鳴 赤木すみれ @Batako-89
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