これが…騎士団の力
ヴェルが私を膝から下ろしてソファーからゆっくり降り、座っている私の左手をそっと握った。
どうしたのだろうかと私が思っていると、ヴェルがいきなり跪く。
(え?どうしたんだろう?この雰囲気はなんか恥ずかしくなる)
私がその雰囲気に圧倒されてタジタジになっていると下を向いていたヴェルがゆっくりと私の方を見上げた。
ヴェルは熱がこもった瞳を私へと向け『聖女優里様…私の永遠。私の剣と命を妻となるあなたに捧げます。』そう言って手の甲にキスをした。
(わわわわ、これ、どうすれば!?返事はどうしたらいいの?はい喜んで!って言えばいいの?!え、違うそれは居酒屋の掛け声みたいになっちゃう!どうしようどうしよう…)
私が脳内で意味のわからない事を考えていると、ヴェルの眉がじわじわと下がってきてることに気づいた。
「え、ええ!喜んで!」
そのヴェルの様子に気づいた私は、結局どこぞの居酒屋のような返事をしてしまった…でも、その返事を聞いたヴェルは花が咲いたように笑ってくれた。
とても優しくて可愛くて愛おしさに溢れている笑顔だったので、私は自分の顔が真っ赤になってゆくのを感じた。
「では、もうあなたは俺のものですよね?」
そう言ったヴェルの瞳は先ほどとは少し変わって欲情の色を宿してるように見えた。
驚いている私の反応を見たヴェルは、ゆっくりと近づいてきて私にキスをした。
ヴェルからしてくれた初めてのキスは、初めてとは思えないほどに上手だった。
「はっ…ん」
つい、私の口から嬌声が出てしまうほどに。
ヴェルはそんな私のことを熱っぽい瞳で観察している、私がどう反応しているかを見てるのだろう。
ヴェルは私をお姫様抱っこしてベッドへと連れて行ってくれた。
決して軽くはないだろう私の事を、軽々と抱き上げるヴェル。
まるで壊れやすい宝物を下ろすかのように、ゆっくりとベットに寝かされる私。
そして私の目の前でヴェルが服を脱ぐ、鍛えられた上半身は視界の暴力と言っていいほどに素晴らしいものだった。
(す…すごいわ。これが騎士団…凄すぎるわ。)
先ほどまでの可愛さが全くなくなってしまったヴェルの雰囲気に飲まれてしまった私は、その行動を静かに見ているしかできなかった。
自身の胸の鼓動は大きくなり、お臍の下が少しジンと熱くなる。
「嫌だったらすぐにやめますンで…」
そう言いながら、ヴェルが私の上にゆっくりと覆いかぶさってきた。
私はヴェルにとてもとても激しく美味しく頂かれた。
そして激しい行為で私の意識が飛んでしまったようで、気づけば朝だった。
綺麗になった自身の体は誰が拭いたのか、両隣にレイとヴェルが寝ているが私の夕食はどうなってしまったのかなど、いろいろなことが起きた瞬間から気になった私だが、一つ言えるのは「ヴェル激しすぎ…」だった。
ちなみに激しく嬌声をあげすぎた私の喉は枯れてしまい、起きたレイに心配されヴェルには謝られた。
レイはヴェルの事を猿とよび、一時間ほど行為に対してのお説教をしていたのは笑った。
正座をしながら『すんません…』と項垂れているヴェルはとてもかわいかったし、ヴェルを怒りながら『僕はきのう触れ合う時間が少なかったんですよ』と拗ねてるレイもかわいかった。
(あー、異世界にきてよかった)
私はそれを横目で見つつ、二度寝をしたのだった。
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