ダンジョン

異能を使用する

夜は消え魔物の目の前に現れる

そして魔物に刀を振るう


「瞬間移動の異能!?」


瞬間移動や空間を移動する系統の異能は現在でも確認されている数が少ない

希少で強力な異能

魔物が反応する前に切り伏せる


「1体」


恋歌は高めた身体能力で地を蹴り突っ込む

素早く走り接近する

素早いが魔物とは距離がある

魔物は接近に気づき防御の体勢が間に合う


「その程度!」


懐に入り拳を振るう

武器を全力でぶん殴る

拳が当たるとビギッと音が鳴る

魔物の武器にヒビが入ったのだ

通常の魔物の武器は掘り出し物には劣るが頑丈

2発目を繰り出して武器を破壊する

そしてそのまま魔物の胴体を貫く

他の魔物が武器を恋歌目掛けて振り下ろす

恋歌は回避も防御もしない

攻撃が直撃する


「死んだ?」

「あれ私の異能知らない?」


武器が恋歌に当たり止まっている

恋歌に傷は付いていない、無傷だ

普通なら直撃すれば無事では済まない


「この程度避ける必要も無い」


武器を掴み力を入れて砕く

そして拳を握り締め魔物に叩き込む

恋歌の身体強化、それは肉体強度も高める

並の攻撃ならばかすり傷一つつかない

武器を持つよりも殴る蹴るが強く防具よりも肉体が硬い

攻撃を回避して腕を切り落とし首に刀を突き立てる

引き抜いて手首を捻り半回転させて横一線に振るう

2人とも余裕を持って倒し切る


「ふぅ」

「流石に疲れた?」

「少し」

「あれだけの数倒してまだ体力あるなんて凄いね。それに空間移動系の異能者とはどういう異能なの?」

「位置移動条件目視」

「目視した場所に移動か。結構使いやすそう」

「便利」

「だろうね。そういえばいつも1人なの? 仲間は居ないの?」

「昔仲間居た」

「あぁ……まぁ探索者だからね」

「戦い命奪い合い仕方ない」

「まぁそうだね。君は強いだけど気をつけてね」

「油断しない」


魔物との戦いは命の奪い合い

戦いの勝敗はどちらかの死で決まる

かつての仲間は戦いに敗れたのだ


「うんうん、戦いで油断したら死ぬ。あっ、守護隊は見回りするけど着いてくる?」

「単独行動」

「そう、それじゃまたね」


恋歌は守護隊員の居る元へ向かう

夜は守護隊の方向とは別の方向へ向かい魔物を探す

そして0時を過ぎた頃、魔石を回収して夜は家へ帰る

朝7時、作戦開始1時間前

ゼラは起きて考える


「……一応参加するかな。守護隊に合流して3本でも戦えはする」


3本であれば作り出す事も操作も出来る

家を出て城壁へ向かう

守護隊は城壁付近に基地がある


「まだ少し眠い」


欠伸をする

朝から人々が街を歩いている

仕事をする者、買い物をしに行く者、学校へ向かう者

様々な人々が行き交う


「普通だねぇ」


大災厄以前に有り触れていた生活

城壁内ではそれに近い生活を送る者達が居る


「ゼラさん?」


少女が話しかけてくる

(何処かで見た事が……)

思い出そうとするが頭痛がする

(異能の負荷か?)

見覚えがある気がしたが気の所為と考えて対応する


「うん? ファンの子?」

「いえ違います。あっ、いや違わないですが私騎士団員で今日の作戦に防衛で参加予定です」

「防衛参加……防衛は守護隊以外に他の騎士も参加するんだね」


ゼラはあくまで参加出来たら参加して欲しいと言われただけで他の騎士が参加するなどは聞いていなかった

(守護隊だけとは言ってなかったしまぁ何人か騎士も送るか)


「はい、数人の騎士が参加予定です。私は異能騎士で騎士団長から防衛に参加出来るなら参加して欲しいと言われました。それでゼラさんが参加するかもしれないと聞いたので待っていたんです」

「異能騎士? それにしては見覚えがない」

「私、新人で実戦の経験が少なくて……前回の作戦では防衛に参加してました」

「成程、それじゃ一緒に行こう。えっと名前は」

「私の名前は氷薙夢です。異能は氷砕の殲滅者という名前です」


異能にはそれぞれ名前が存在する

名前通りの異能の可能性が高い

ゼラの異能にも名前がある


「殲滅者……」

「大層な名前ですがそれ程強くは無いです」

「異能は使って慣れていかないと高い出力は使えないからね」

「精進します」


ゼラと夢は一緒に守護隊の基地に向かう


「ゼラさんの異能の名前はどういう名前なんですか?」

「剣創操作、剣を生み出して自在に操る異能」

「正しく名前通りの異能ですね」

「そうだね、使い勝手は中々良い異能、汎用性は低いけど」

「剣は戦い以外だと……料理ですかね」

「うーん、料理は普通に包丁使うかな」

「結構少し硬いと斬りづらいですし異能の剣なら便利だと思いますが」

「小型にすれば確かに使い易そうだけど」

「サイズ調整も出来るんですか?」

「剣であれば大きさは自在、小型なら負荷少なく済むかな」


雑談をしながら向かう

基地に行くと1人の男性が出迎える

軍服のような守護隊の服を着た男性

背が高く図体のデカい男性

そこに立っているだけで圧がある

夢は圧に押されてい数歩下がる


「お2人は防衛参加の騎士ですか?」

「うん、そうだよ。どこへ向かえばいい?」

「城門の外で集合です。私と同じ服を着た隊員が居ますので一目で分かると思います」

「分かった。有難う」

「防衛作戦も魔物と戦闘になる可能性が高いのでお気をつけて」

「ちゃんと気を付けるよ」


男性に言われた通り集合場所の城門の外へ行く

周りを見ると2人の守護隊員が立っている

近付くと守護隊員が気付く


「手品師のゼラさんと君は?」


夢の方を向き聞く


「異能騎士の氷薙夢です!」

「異能騎士が2人も」

「頼もしい限りだ。よろしく頼む」

「よろしくお願いします!」

「よろしく、防衛は何をするんだ?」

「本作戦は英雄3人がダンジョンを攻略しますので地上で待機、魔物が溢れ出した場合及び魔物がダンジョンへ入ろうとした時の討伐となります」

「それ以外の魔物は?」

「別行動している守護隊が担当します」

「話は聞いていると思うが今回のダンジョンは異質な物だ。昨日の夜我々が確認しただけでも多くの魔物がダンジョンへ向かっていた。恋歌隊長が居るから負ける事は無いだろうが最悪連戦になる。十分に気を付けて戦ってくれ」

「はい!」


(微力だが戦力にはなるはず、来て正解か)

7時50分になり防衛参加の隊員が全員集合する

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